論文を作成する際、多くの研究者は本文や結論部分の作成に多くの時間を割く一方で、タイトルの重要性は見落とされがちです。
しかし、論文のタイトルは読者が最初に目にする部分であり、論文全体の内容を効果的に伝え、さらに引用数や影響力にも大きく影響します。
今回は、注目を集める論文タイトルを作成するためのコツをご紹介します。
まず、以下の表でタイトル作成のポイントをまとめてみました。
1. 全体的な内容を反映するタイトル
研究の中心テーマを明確に伝えるタイトルは、
読者に論文の主旨を効果的に伝えると同時に、
より多くの読者が論文を目にすることが可能になります。
このタイプのタイトルには、
論文の要旨に含まれる主要なキーワードを入れることが必要です。
また、タイトルは10~15単語以内で作成することが理想的です。
曖昧な単語は論文の影響力を低下させる可能性があるため、できるだけ使用を控え、
名詞を中心に構成された簡潔で要点を押さえた表現を心がけましょう。
[Tip]
分類用語(例: taxonomic terms)は近年あまり好まれなくなってきているため、使用を避けることをおすすめします。
2.全体的な内容に特定の副題を提示するタイトル
この形式は、読者の興味を引きつける非常に効果的な方法で、
多くの分野で広く使用されています。
コロンを使ってタイトルを2つにわけることで、
読者は論文の主要なポイントとサブテーマを直感的に把握できるようになります。
実際、最も多く引用される医学論文の70%がタイトルにコロンを使用しています。
コロンを使わない代替形式としては、
名詞句や名詞節で構成されたタイトルがあります。
この形式では、特定の変数や実験対象を用いて、
全体的な研究内容を表現することが可能です。
コロンを使用しないことで、シンプルでストレートな印象を与えることができます。
3.研究結果を明らかにするタイトル
この形式は、研究結果やその重要性を強調し、
完全な文章で構成されたタイトルを指します。
◎一部の学術雑誌では、このようなタイトル形式を推奨していなかったり、禁止している場合もあるため、事前に投稿先のガイドラインを確認することが重要です。
最も大切な点は、読者に誤解を与えないことです。
そのため、データから導き出される論理的な結論を正確に反映し、
事実を歪めることなく表現できる動詞を慎重に選ぶ必要があります。
また、この形式のサブタイトルでは、研究結果を直接述べるのではなく、
研究テーマに対する解決策やアプローチを提示することが効果的です。
さらに、一般的ではありませんが、タイトルを質問形式にすることで、
論文の中で提示される解決策を暗示し、読者の興味を引くこともできます。
4.研究に使用した方法論を説明するタイトル
これは非常に一般的なタイトル形式です。
通常、論文全体のテーマを明示した後、
コロンを使用して研究に使用した方法論を簡潔に説明します。
逆に、コロンを使わずに名詞句で方法論を示す場合もあります。
受動態や「by」「through」「with」といった前置詞を用いることで、
研究に使用した具体的な方法を表現することができます。
これにより、読者に研究のアプローチが明確に伝わり、
特に同分野の研究者にとっては論文の技術的な内容が一目で理解しやすくなります。
5.感情的なアピールやユーモアを含んだタイトル
感情的なアピールやユーモアを含んだタイトルは、英語論文では特に注意が必要です。
英語のユーモアは、英語を母国語としない読者にとって理解しづらい文化的な背景が含まれていることが多く、このようなタイトル形式は避けるのが無難です。
しかし、社会科学分野のレビュー論文などで、
ユーモアや感情的なアプローチを含むタイトルが見られることもあります。
こういったタイトルを使用する際は、
感情表現やユーモアが過剰にならないように注意し、
タイトルが論文の内容と適切に結びついているかを確認することが重要です。
今回ご紹介した論文タイトル作成のコツを活用して、
読者の目を引く魅力的なタイトルを作成しましょう!
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