世界中の出版業界では、論文のリジェクトは非常に一般的です。
リジェクトの理由は
ジャーナルのガイドラインに従っていなかったり、
ジャーナルの読者層に適していない内容であったり、
論文がジャーナルの内容と関連性がなかったりと多岐にわたります。
ジャーナルへの採択率を向上させるためには、
規定をしっかり理解し、戦略的に論文を作成することが大切です。
そのためには、英文校正サービスの利用が欠かせません。
今回はジャーナル原稿がリジェクトされる主な理由と、
英文校正サービスを利用してリジェクトを避ける方法をご紹介します。
主な理由1.IMRD形式で構成されていない論文
論文を執筆する際には、IMRD形式での記述が望ましいとされています。
これは、ほとんどの研究者が認識していることですが、
各セクションにおいて、適切な内容が含まれていないことが多々あります。
*IMRD: Introduction, Materials&Methods,Result, Discussion
その原因の一つとして、形式に対する理解不足が挙げられます。
どのように校正する??
まず、ワードバイスが公開している
英語論文の「IMRAD」各セクションの書き方についての動画をご覧ください。
形式についての理解を深めたところで、
以下のチェックリストを参考にして、
論文がIMRD形式に従って作成されているか確認してみてください。
主な理由2.序論と他のセクションのずれ
論文を作成する際は、研究内容を明確にし、
そのアイデアを論理的に展開することが求められます。
その中で特に大切なのは、各セクションがスムーズに繋がっていることです。
単に文章を順番に並べるだけではなく、
研究の目的や範囲に沿った論理的な構成が必要です。
よくあるミスの一つに、草稿を完成させる前に序論を書き始めてしまい、
序論に必要な情報が不足していたり、
関連のない内容が含まれてしまうことがあります。
このような場合、序論と結論(Result)や他のセクションが繋がらず、
研究の主旨がブレてしまい、論文全体の論理的な流れを損なう原因になります。
どのように校正する?
結論を書く前に、序論の内容をもう一度確認しましょう。
原稿を書いている途中でアイディアが広がり、内容が変わることがあります。
序論を先に作成してしまうと、
このような場合に後から変更点を反映しにくくなってしまいます。
この問題を避けるために、考察(Discussion)のセクションを作成した後、
簡単な結論(Result)を書く前に序論の内容を見直し、
追加や削除が必要な部分がないか確認しましょう。
時には、他のセクションで扱っていない情報や引用を序論に含めてしまうこともあるので、注意が必要です。
主な理由3.要旨におけるミスや情報の漏れ
序論でのミスよりもさらに致命的なのが、
要旨(Abstract)で不正確な事実を記載したり、
必須の情報が漏れてしまうことです。
要旨はエディターと発行担当者が最初に目を通す部分であるため、
要旨にミスがあると、最悪の場合、
エディターが論文全体に目を通す前にリジェクトしてしまう可能性があります。
どのように校正する?
要旨(Abstract)は必ず最後に作成しましょう。
繰り返しになりますが、原稿を作成する順番が重要です。
要旨を作成するときには、全ての情報が最新であり、
他のセクションとの矛盾が生じていないかを確認することが大切です。
また、文法や文体に誤りがないかも忘れずにチェックしましょう。
主な理由4.内容と合っていないタイトル
タイトルはデータベース検索および原稿の一番上に記載されるため、
最も目に付く部分です。
タイトルを作成する際に多く見られるミスには以下の3つが挙げられます。
1)研究内容や主張を十分に反映していないタイトル
2)長すぎるタイトル
3)ジャーナルの読者に合わないタイトル
どのように校正する?
1)研究内容や主張を十分に反映していないタイトル
タイトルには研究テーマとの関連性が高いキーワードを2~3個含み、
研究内容を明確に表す必要があります。
また、タイトルに研究対象や研究内容などを具体的に記載することで
タイトルを見るだけで研究内容を予測することができるようにします。
2)長すぎるタイトル
タイトルの長さは平均10~20単語とされており、
数学関連の論文タイトルはこの基準より若干短く(~8単語)、
医学論文は少し長めとされています。
しかし、ジャーナル毎にタイトルに対する
独自の基準やスタイルの指定などが設けられているため、
必ず確認するようにしましょう。
適度な単語数でタイトルを作成するため、
不必要な単語や重複した表現は削除しましょう。
また、意味が曖昧で具体的でない表現は、より具体的な用語に変え、
副詞や形容詞は極力使用しないようにしましょう。
3)ジャーナルの読者に合わないタイトル
ジャーナルで扱われている主な題材や、
読者層の関心を反映し、タイトルを校正しましょう。
投稿するジャーナルに最近掲載された論文の題名を分析し、
よく扱われているテーマもしくは用語を把握し、
ジャーナルに示された内容を確認しましょう。
また、複雑な用語やあまり使われない表現は避け、
読者層が慣れ親しんだ用語や表現をタイトルに反映する必要があります。
効果的な論文タイトル設定のコツについての動画もぜひご参照ください。
主な理由5.投稿基準に合っていない論文
これは非常に重要なポイントです。
論文がジャーナルの投稿基準を満たしていない理由は、様々なものが考えられますが、ジャーナル側はリジェクトの理由を詳しく教えてくれない場合が多いです。
研究内容がジャーナルが求めるものとは異なる場合もあれば、
ジャーナルが指定するフォーマと文法形式が合っておらず
リジェクトされる場合もあります。
どのように校正する?
論文の投稿に成功するためには、
投稿予定のジャーナルをとことん調査することが重要です。
ジャーナルの公式サイトにアクセスすると、構造やフォーマット、内容など
ジャーナルが求めている基準や規定などを細かく確認することができます。
このようなガイドラインが抽象的すぎて分かりずらいという方は、
既に出版された論文に可能な限り多く目を通されることをおすすめします。
そして、研究内容やスタイル、フォーマットについてメモを作成してみましょう。
煩わしい作業に思えるかもしれませんが、作成したメモを基に論文を検討することで、自身の論文の問題点を具体的に把握することが可能になります。
今回紹介した論文のリジェクト回避方法はいかがでしたでしょうか?
自分だけの力でリジェクトを回避できればいいのですが、
校正を自分で行うのは客観性や専門性が不足してしまいがちであり、
言語的な面からも現実的ではありません。
そんな時は、ワードバイスの英文校正サービスをぜひご利用ください。
ワードバイスに在籍している学術文書専門の校正者は豊富な出版経験を通して得た、
論文のリジェクトに対する知識を持っており、リジェクトを回避するためにどのように論文を校正するべきかをしっかりと把握しています。
繰り返される論文リジェクトでお困りの方がいらっしゃいましたら、
論文を改善し、ジャーナルへの投稿を成功させてください!