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ジャーナルのフォーマットと著者ガイドライン

研究論文作成のポイント

研究論文を作成する際の重要なポイントは、

ジャーナルのフォーマット著者ガイドラインに正確に従うことです。

 

しかし、多くの場合、ジャーナル側の指針を完全に理解し、

それに沿って論文を作成することが難しく、

初投稿がリジェクトされる原因になることもあります。

 

今回は、ガイドラインに沿って論文を作成する際に注意すべき重要なポイントと、

論文のリジェクトを防ぐためのコツをご紹介します。

 

ガイドラインとは?

ジャーナルガイドライン

投稿を予定しているジャーナルのホームページにアクセスすると、

投稿ガイドラインを確認できます。

 

一般的に、「author」「instructions」「guidelines」などの単語が含まれたタブに、

ガイドラインのページが掲載されています。

 

万が一、ガイドラインのリンクが見つからなくても、慌てる必要はありません。

必ずどこかに記載されているはずです。

 

サイト内の検索機能を活用したり、

Google「[ジャーナル名] author guideline」と検索してみてください。

 

次に、自身の論文が投稿予定のジャーナルの

「目標および範囲」と合致しているかを確認する必要があります。

 

例えば、人間に関する研究を扱うジャーナルに、

ネズミの行動に関する論文を投稿することは避けなければなりません。

 

また、ジャーナルが自身の論文と同様の形式の研究を

掲載しているかも確認する必要があります。

 

例えば、4人以上の患者と文献研究を含む

長い症例シリーズのみを掲載するジャーナルに、

単一症例の論文を投稿すると、リジェクトされる可能性が高くなります。

 

自身の原稿に最も適したターゲットジャーナルを見つけることが、

ジャーナル投稿の成功において最優先事項となります。

 

フォーマットの注意事項

ジャーナル査読

1.タイトルページ

ジャーナルのレビュー過程は単盲検法(single-blind)もしくは、

二重盲検(double-blind)方式によって行われます。

 

単盲検法(single-blind)では、査読者は著者の名前と所属を確認することができますが、著者は誰が自身の原稿を査読したかを確認することができません。

 

一方で、二重盲検法(double-blind)では、

査読者も著者についての情報を確認することができます。

 

この場合、論文のタイトルページは原稿とは別に提出する必要があり、

原稿には所属機関名や著者の氏名を含まないようにする必要があります。

 

万が一、投稿後に担当者への質問が生じたり、

査読に送られる前に原稿を修正・匿名化して再投稿する必要がある場合、

編集者が別の原稿を選択する可能性が高まるため、注意が必要です。

2.原稿の長さ

すべての段落や情報が論文にとって不可欠に思えるかもしれません。

しかし、ターゲットジャーナルには単語数、表や図の数、参考文献の量などに関する

規定が設けられている場合があります。

 

そのため、情報量が多すぎる原稿はリジェクトの対象となる可能性があります。

 

ただし、研究内容が十分に魅力的であると編集者が判断した場合、

修正後の再提出を求められることもあります。

 

もし情報を削減するのが難しい場合は、リジェクトのリスクを軽減するために、

補足ファイルの添付が可能かどうかを確認するのも一つの方法です。

 

これにより、原稿の構成をより柔軟に調整することができます。

3.情報の挿入位置に対する規定

一部のジャーナルでは、原稿のどの部分にどのような情報を含めるべきかについて、

厳格な規定が設けられています。

 

これらの規定は厳しすぎると感じるかもしれませんが、

投稿時には必ず従う必要があります。

 

例えば、論文のタイトルに結果や研究の設計を含める必要があるかどうか

事前に確認することが重要です。

 

また、序論研究結果の簡単な要約の記載

あるいはリサーチクエスチョンや方法論の概要を示すことを

求められる場合もあります。

 

そのため、ジャーナル側の指示を正確に理解し、

適切に対応することが非常に重要です。

4.表/図

ほとんどのジャーナルでは、査読をスムーズに進めるために、

最初の投稿時に原稿内に表や図を含めることが推奨されています。

 

その際、ジャーナル側が特に重視するのは

図のクオリティ(高解像度、明瞭さ、可読性)と、一貫したラベリングです。

 

提出ガイドラインのページで詳細を確認し、フォント、文字サイズ、表の色、

ファイル形式などの細かい規定を見落とさないようにしましょう。

 

細かい規定であっても、

守らなければ論文がリジェクトされる原因になることがあるため、

注意が必要です。

5.テキストの形式

多くの学術誌では、フォントの種類やサイズ

余白、行間スペースなどに関する明確な規定が設けられています。

 

最初は少し複雑に感じるかもしれませんが、

原稿がすでに一般的な論文形式で作成されている場合、

これらの規定を適用するのにそれほど時間はかかりません。

 

また、ガイドラインを確認する際には、以下の点にも注意が必要です。

 

  • 要旨と本文で使用するヘッダーのルール
  • ヘッダーの大文字使用ルール(タイトルの大文字・小文字の扱いを比較)
  • ページ番号(連続番号 or セクションごとの番号)および行番号の使用ルール
  • 米国式または英国式のスペル・句読点の統一
  • 略語の表記方法 (スペルを表記 or 本文の前にリストを作成)
  • 参考文献のスタイル
6.カバーレター

カバーレターは必須ではありませんが、ジャーナル側から求められる場合、

それは多くの場合、論文に関する具体的な事項の記載を意味します。

 

例えば、提出する論文が過去に出版されたことがないという事実の明記や、

査読者(レビュアー)の意見に対する明確なアイディアの記述が

求められることがあります。

 

カバーレターは、原稿が出版に値することを

編集者に確信させる重要な要素であるため、

ガイドラインに従い、慎重に作成する必要があります。

7.その他

資金調達の有無、潜在的な解釈の相違、倫理規定の遵守、

データの可用性に関する声明などは、原稿提出時に確認すべき重要なポイントです。

 

これらの情報をタイトルページに記載すべきか、

あるいは本文の最後に記述すべきかを確認しましょう。

 

特に、原稿が単盲検法で査読される場合は、適切な記載位置に注意が必要です。

フォーマットのコツ

フォーマットのコツ

ガイドラインはできるだけ明確かつ一貫性を持って作成されていますが、

著者にとって紛らわしく感じる部分もあります。

 

これは、時間の経過とともに元の指針に細かい規定が追加されたり、

複数の下位ジャーナルの指針が統合されることで、

ガイドライン全体の整合性が十分に検討されていない場合があるためです。

 

このような場合でも、慌てずに合理的な判断をした上で、以下の対応を取りましょう。

  • 確信が持てない部分は、カバーレターを通じて編集者に確認する
  • 一般的なフォーマットの規定に沿って作成し、追加の指針が出るのを待つ

以下に、フォーマット作成時のポイントをまとめました。

1.Statementsの配置

多くのジャーナルでは、謝辞(Acknowledgments)や

資金支援に関する記述(Funding Statement)を、本文の最後だけでなく、

表紙(タイトルページ)にも記載するように指示しています。

 

しかし、同じ文章を2回記載するのではなく、指針が不明確な場合でも、

タイトルページと本文の終わりに内容を分けて記載することは避けましょう。

 

まず、ジャーナルの査読方法が単盲検法であるか、

二重盲検法であるかを確認することが重要です。

 

著者名や所属機関名を原稿内に含めてはいけない場合は、

すべての説明をタイトルページにまとめて記載する必要があります。

 

一方で、盲検法を採用していない場合は、可読性を考慮し、

すべてのStatementsを一か所にまとめるのが望ましいでしょう。

 

編集者がStatementsの配置の違いを理由に

論文をリジェクトすることはほとんどありませんが、

ガイドラインと異なり内容が分散していると、

論文全体が煩雑に見えてしまう可能性があります。

 

そのため、ガイドラインに従い、適切な位置に記載しましょう。

2.単語数

単語数の制限が原稿全体(要旨やDeclarationsを含む)に適用されるのか、

それとも本文のみが対象なのかは、明確に記載されていない場合が多くあります。

 

万が一、原稿全体の単語数が制限を超えているが、

本文のみは制限内に収まっている場合は、

投稿予定のジャーナルが実際に適用している規定を確認しましょう。

 

そのためには、ジャーナルの最新号に掲載されている論文を参考にするのが有効です。

 

それでも判断が難しい場合は、カバーレターに単語数に関する問題がある場合には、

必要に応じて単語数を削減する意思があることを記載しておくとよいでしょう。

 

ただし、これは原稿の単語数が制限に近い場合に限られます。

 

一方で、論文の長さが制限を大幅に超過している場合は、

以下の対応を検討する必要があります。

 

  • 投稿前に原稿の長さを短縮する
  • 単語数の制限が厳しくない別のジャーナルへの投稿を検討する
3.参考文献のスタイル

ガイドラインでは、参考文献のスタイルを単語で説明している場合がありますが、

その記載が曖昧であることもあります。

 

例えば、ジャーナル名の略語や句読点の使用ルールが不明確であったり、

別の規定と矛盾する引用スタイルの例が示されている場合もあります。

 

このような場合は、ジャーナルの最新号に掲載されている論文を確認し、

実際に使用されている参考文献リストを参考にするのが有効です。

4.明確な書式のガイドラインが無い場合

フォントや行間に対する特別な指針がない場合、

最も基本的かる簡単な形式を選択することをおすすめします。

 

例えば、以下の書式が一般的に推奨されます。

  • フォント:Times New Roman
  • フォントサイズ:12
  • 行間:ダブルスペース
  • 配置:左揃え
  • 余白(マージン):1インチ(約2.54cm)
  • 段落のインデント:最初の行を左端から0.5インチ(1.27cm)インデント

さらに、ヘッダーの表記や大文字の使用ルール、テキスト内の引用スタイルなど、

全体の一貫性を確認することで、修正が必要な箇所を簡単に特定できます。

研究論文

最後に、ジャーナルのフォーマットと著者ガイドラインは、

研究論文を提出する上で欠かせない要素です。

 

そのため、提出前には必ずガイドラインを確認し、

すべての項目をチェックする習慣を身につけましょう。

 

万全な準備を行うことで、審査過程でより高い評価を得られる可能性が高くなります!

 

さらに、最終提出前には専門家による校正を受けることをおすすめします。

ワードバイス英文校正サービス

ワードバイス学術論文英文校正サービスでは、

専門分野における修士号もしくは博士号を取得し、

海外の学術雑誌への投稿経験を持つシニアエディターが校正を担当します。

 

そのため、著者が見落としがちな細かなミスもしっかりチェックし、

ガイドラインに沿った校正を行います。

 

また、フォーマットの確認だけでなく、論文の構成や表現の改善など

全体的なクオリティ向上にも貢献します。


論文の品質をさらに高めるために、

ぜひワードバイス英文校正サービスをご活用ください!

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