自己剽窃とは?回避方法を紹介!

インターネットの発展により、
学術論文をはじめとするあらゆるコンテンツが
簡単にコピー&ペーストできる時代になりました。
それに伴い、大学や出版社は
剽窃(ひょうせつ)を防ぐための取り組みに力を注いでおり、
大半の学者や研究者も、
他人の文章を無断で使用することが非倫理的な行為であり、
学術的なキャリアに重大な影響を与えるという事実を認識しています。
しかし、意外と多くの人が知らない事実があります。
それは、自分自身が執筆した文章であっても、
自己剽窃(Self-plagiarism)に該当する場合があるということです。
「自分が書いた文章が剽窃になるとはどういうことか?」
と疑問に思うかもしれません。
しかし、過去に作成した内容を新しいコンテンツとして再利用し、
読者を誤解させる行為は自己剽窃とみなされる場合があります。
これは、他者の文章を無断で使用する剽窃と同様に、
深刻な問題として扱われます。
自己剽窃とは?
自己剽窃とは、提出済みの資料や出版済みの資料を
適切な引用を行わずに再利用する行為を指します。
これには、データや文章の一部、原稿全体、図やグラフなどが含まれます。
アメリカ心理学会(APA)は、自己剽窃を非倫理的であり、場合によっては
著作権侵害に該当する可能性がある行為として強調しています。
ただし、すべての自己剽窃が法的または倫理的な問題として
扱われるわけではありません。
一部の出版社では、この問題に関するガイドラインや基準が
明確でない場合もあります。
例えば、バイオメッドセントラル(BioMed Central)や
出版倫理委員会(COPE)では、
編集者向けに文章の再利用に関するガイドラインを作成し、
これを継続的にアップデートしています。
【目次】
1.明確な自己剽窃の例
2.曖昧な自己剽窃の例
3.自己剽窃が問題となる理由
4.テキストやデータの再利用が許される場合
5.自己剽窃を防ぐ方法
1.明確な自己剽窃の例
以下は、明確な剽窃といえる例です。
学術文書を含む、いかなる場合にも
以下のような行為は控える必要があります。
【明確な自己剽窃の例】
1.別の授業や講座で既に提出したエッセイや課題を再提出する行為
2.資料の出典を明示せず、修士論文や博士論文のデータ、
結果、文章を再利用する行為
3.編集者や読者に知らせずに、他のジャーナル、文献、
またはカンファレンスで既に発表されたデータや文章、結果を含む原稿を
新たなジャーナルに提出する行為
2.曖昧な自己剽窃の例
自身の文書を引用を明記せずに使用する際、
剽窃に該当するのか曖昧な領域が存在する場合があります。
以下の例を確認し、自分が執筆した文章を使用、引用、言及する際には
常に注意するようにしましょう。
【曖昧な自己剽窃の例】
1.研究方法やデザインが同一であり、既存の原稿で使用した方法の一部
または全体、または画像を新しい原稿で使用する場合
多くの著者は、自分が執筆した文書の著作財産権が
自分自身にあると考えがちです。
しかし、ジャーナルに原稿を提出して出版された場合、
著作財産権が出版社に移転する場合があります。
この場合、原稿は出版社の所有となり、
たとえ著者であっても、適切な引用や許可がない限り、
その原稿を再利用することはできません。
著作物の使用許可が明示されているジャーナルでは、
自身の原稿を再利用することが可能ですが、
それでも必ず適切な引用が必要です。
また、新しい原稿を執筆する際には、
既に提出済みの原稿の一部または全体を含めないように
注意しなければなりません。
2.1つの大規模な研究をいくつかの研究に分ける場合
一つの研究を複数の小さな研究に分割して発表する方法は、
サラミ方(Salami slicing)と呼ばれます。
この手法により、多くの論文を出版しているように見えることがありますが、長期的には研究者の名声や信頼を損なうリスクがあります。
サラミ方による論文発表を防ぐため、多くのジャーナルでは、
ピアレビューの前に著者に対して
最近出版した原稿の記録を提出するよう求めています。
3.既存の出版物を他の表現に変えたり、他の言語に翻訳する場合
このような行為は一見すると新しい原稿のように見えますが、
自己剽窃に該当します。
このタイプの剽窃は発見が非常に難しいものの、
方法が異なるだけで本質的には同じ問題です。
既存の出版物を翻訳し、
新しい原稿として提出した事実が明らかになれば、
読者を混乱させるだけでなく、
著作権を侵害したとして非難される可能性があります。
その結果、研究者としての名声や信頼に深刻な影響を及ぼすことがあります。
3.自己剽窃が問題となる理由
自己剽窃は、以下のような問題となる可能性があります。
- 大学によって剽窃に対する決まりが異なりますが、既に作成した原稿を提出することは研究倫理違反として見なされており、落第する可能性のある深刻な問題として扱われます。剽窃が一度でも発覚すれば、停学や退学といった深刻な罰則が課されることもあります。
- 全ての研究者や出版社が自己剽窃を深刻な不正行為として扱うわけではありません。しかし、一般的には科学的な信頼性を損なう行為と見なされます。自己剽窃は個人の名声やキャリアに悪影響を及ぼすだけでなく、科学研究全体の信頼性を低下させる可能性があります。
- 前述のように、科学ジャーナルや文献の原稿が既に出版されている場合、その文書の著作権は出版社に帰属している可能性が高くなっています。そのため、許可を得ず、または明確な引用を行わずに原稿を再利用することは、著作権侵害に該当します。
- ほとんどのジャーナルでは、研究者が原稿を提出する際、同様の原稿の出版を防ぐために剽窃チェックソフトを使用しています。そのため、同様の原稿やその一部を提出した場合、剽窃として摘発される可能性が非常に高いです。仮にこの段階で自己剽窃が発見されなかったとしても、原稿の再作成や再提出を求められる可能性があり、その結果、出版プロセスに遅れが生じることがあります。自己剽窃が行われる主な理由は、研究中心の大学において、より多くの出版実績を求められるというプレッシャーに起因する場合が多いです。このような状況下で、短期間に多くの出版を試みる傾向があります。しかし、自己剽窃の代償を避けることはできません。自己剽窃は研究者自身の信頼性を損ない、学術界全体の信頼を低下させる結果を招く可能性があります。
4.テキストやデータの再利用が許される場合
自身の原稿の再利用は、以下のような場合に許可されます。
1)論文に必ず必要な場合
2)既存の原稿に対する引用が明確に記載されている場合
海外の読者に向けて、
母国語で出版した原稿を英語に翻訳すること自体は問題ありません。
しかし、その原稿が以前別の言語で出版されたものであることを
必ず明記する必要があります。
また、出版実績を増やす目的で、
母国語版と英語版を同時に出版することは避けた方が良いでしょう。
長期間研究してきた分野について本を執筆する場合や、
その一部分を作成する際に、
既存の原稿を活用する必要が生じることがあります。
このような場合には以下の点に留意してください。
- 出典を明確に記載する
どの部分が新しく作成されたものか、どの部分が既存の原稿を基にしているのかを明確にし、出版社に伝えることで問題を防ぐことができます。
- 全ての関係者に連絡し、許可を得る
再利用する原稿の作成に携わった全ての人に事前に連絡し、許可を取ることが非常に重要です。
5.自己剽窃を防ぐ方法
以下は、意図せず自身の原稿を剽窃してしまうことを
防ぐためのいくつかの方法です。
1) 課題の再利用を避ける
教授や指導者が異なる場合でも、既に提出した課題やレポートを他の授業に再利用してはいけません。
同じ内容を新たに提出することは、研究倫理に反する行為と見なされます。
2) 出版された原稿を適切に引用する
既存の原稿のテキストを新しい原稿にそのまま貼り付けるのではなく、適切な引用を行う必要があります。
たとえば、次のように出典を明示してください。
“We used the same method described in Smith et al., 2020.”
同じ内容を使用する場合、できるだけ異なる表現に変える(パラフレーズする)ことが望ましいです。その際も、必ず出典を明記する必要があります。
特に論文の「方法」セクションで既存の研究のテキストを再利用する際には、新しい内容に比べて既存のテキストの比重が多くならないように注意してください。
既存の内容が主となることは避け、新規性を持たせることが重要です。
3) 既存のアイデアの再利用に注意
過去に使用したアイデアや概念を新しいものとして提示することは避けるべきです。
特定のテーマや方法について既に原稿を出版している場合、新しい原稿でそれを新規の内容として表現することは不適切です。
適切な引用と説明を心掛けましょう。
4) ジャーナルのガイドラインを遵守する
論文を提出する際には、ジャーナルのガイドラインをしっかりと確認し、必要な宣言事項(例: “The work presented here has not been published before”)を明記する必要があります。
ガイドラインが曖昧であったり、理解が難しい場合は、論文提出前にエディターに問い合わせるか、カバーレターで該当部分について言及することをおすすめします。
5) 同一原稿を重複して提出しない
ジャーナルで特に許可されていない限り、同じ原稿を複数のジャーナルに同時に提出することは禁止されています。
また、既に提出した原稿を翻訳して他のジャーナルに提出することも認められていません。
ただし、原稿が正式にリジェクトされた場合や、自ら提出を取り下げた場合には、他の出版社に提出することが可能です。
6) 原稿の再利用には許可を得る
既に出版された原稿を再利用する場合、該当原稿の全ての著者から事前に許可を得る必要があります。
これは共同研究者間の信頼を守るだけでなく、倫理的な問題を回避するためにも重要です。
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