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学術的なライティングの基本ガイド:専門的で明確な文章作成のためのポイント

学術的なライティングの基本ガイド

こんにちは。

英文校正サービス「ワードバイス」です。

 

今回は、新学期を迎えるにあたり、学術的なライティングについてご紹介します。

 

学術エッセイ、読書レポート、注釈付き参考文献、研究論文、

報告書、提案書、出版用原稿などを作成する際には、

学術的なライティングのスタイルを適用する必要があります。

 

しかし、学術的なライティングは一般的なものとは異なります。

 

明確かつ専門的な学術文書を作成するために重要なポイントと

見落としがちなガイドラインを整理しましたので、ぜひ参考にしてください。

 

学術的なライティングの目的

学術的なライティング

多くの方が混乱しがちなのが、学術的なライティングの目的です。

学術文書はストーリーを伝えたり、読者を楽しませるためのものではありません。

 

学術文書の最も重要な目的は、著者の知識と正確な情報を体系的に伝えることです。

 

しかし、難しく考える必要はありません。

長い文章や複雑な単語を使う必要もありません。

むしろ、複雑すぎる単語は、文章の専門性を低下させ、逆効果を招く場合もあります。

 

重要なのは、形式、明確性、正確性、構造、証拠といった原則を守ることです。

 

次に、学術的なライティングで避けるべきポイントを紹介します。

避けるべきポイント

論文を読む人

学術文書の著者は、読者に信頼を与えつつ、

学術的かつ専門的な情報を伝達する必要があります。

このため、以下のような非公式的な要素は避けることが重要です。

 

スラングは親しい関係で使用されたり、特定の集団内で使用される非公式的な表現で、学術文書だけでなく、公式な文章でも避けるべき表現です。

 

  • 慣用句 (idioms)

すべての慣用句が不適切というわけではありませんが、慣用句には文化的背景が必要な表現が多くあります。読者が特定の文化圏に関する知識を持たない場合でも内容を理解できるよう、より直接的で明確な表現を使用することが望ましいです。

 

  • 動詞の省略形 (Contractions)

学術文書では、「don’t」や「haven’t」のような動詞の省略形は使用しないのが一般的です。

 

  • 口語的な表現 (Colloquial words)

一般的なライティングでは読者を主語の一部として含めることができますが、学術的なライティングでは一般的にそのような表現を避ける必要があります。

例えば、研究論文では1人称代名詞(IやYou)を使用することができますが、大衆を直接的に示す表現(「みなさんは」や「私たちは」)の使用は控えるべきです。

論理的な構造と一貫性の維持

論理的な構造

学術文書は論理的な流れと構造を維持する必要があり、

明確なセクションと副題が求められます。

  • 全体の構造

一般的には、題名、要旨、序論といった順に展開され、討論および結論で締めくくります。また、情報をあらためて持ち出す必要がない場合には、同じ情報を繰り返し記載することは避けるべきです。

(論文要旨の作成方法は、こちらの記事をご参照ください。)

 

  • 段落

各段落には、中心となる一つのテーマを含むことが望ましいです。新しいアイデアを記載する際には、次の段落に記載するようにしましょう。また、必要な情報をすべて記載しつつ、テーマと関連性のある情報のみを含むようにします。

*一部の情報を省略する場合には、関連する全ての段落を削除する必要があります。

 

  • 文章の構造

イデアや情報を論理的に展開するためには、正しい転換語(transition words)や句読点を使用することが重要です。

明確かつ客観的なライティング

データに基づいたライティング

読者が著者の意図を正確に把握し、自身で結論を導き出せるようにするためには、

明確かつ客観的な情報提供が必須です。

  • 曖昧な表現を避ける

正確なデータと事実を提示する必要があり、曖昧な表現は使用しないことが望ましいです。

 

例えば、次のような表現は避けるべきです。

❌ “Perhaps”, “Maybe”, “a little”, “some”, “and so on”, “etc”

 

また、適切な動詞の時制を使用する必要があります。現時点を基準として、いつ発生したのかを正確に表現し、研究がいつ行われたのかを明確に示すことが求められます。

 

  • 感情的な表現を避ける

学術文書は、感情的な意見を排除し、客観的な根拠に基づいて作成する必要があります。そのため、他人の研究や引用を活用し、客観的に表現することが望ましいです。その際、引用符を使用し、引用したことを明確に示す必要があります。

 

  • 意見ではなく根拠を提示

著者は主観的な意見を強調するのではなく、読者が自身で結論を導き出せるように、客観的な情報とデータを提供する必要があります。

 

何をなぜ行ったのか?

どのような方法を使用したのか?

なぜその方法を選択したのか?

研究の限界は何か?

 

上記の点を明確に説明することが必要です。

正しい出典の引用

🔍

学術的なライティングでは、必然的に他の研究資料やデータを参照します。

そのため、出典を正しく引用することが重要です。

 

読者は、著者が提示したデータが信頼できる出典先から引用されたものであるかを

確認できる必要があり、出版情報を把握できることが求められます。

 

  • 引用スタイルに従う

引用方法にはAPA、MLA、Chicagoなど様々なスタイルがあります。そのため、講義のレジュメや学科の方針、提出ジャーナルのガイドラインなどを必ず確認し、適切なスタイルで引用を行う必要があります。

 

剽窃を回避するためには、意味を維持しつつ他の表現に文章を書き換えるパラフレーズの過程を通して引用を行ったり、直接引用を行い、適切な方法で出典を明らかにする必要があります。また、自己剽窃(self-plagiarism)を避けるために、自身の作品(例:未発表の論文)であっても引用を行う必要があります。

 

 

ここまで、学術的なライティングのガイドラインについて紹介いたしました。

 

学術的なライティングは一般的なライティングとは異なりますが、

論理的な構造や明確性、客観性、適切かつ正確な出典の引用を守ることで、

より効果的なライティングが可能になります。

 

今回紹介したガイドラインを参考にして、学術的なライティングの原則を理解し

より体系的な文章作成にお役立ていただければ幸いです。

 

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