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剽窃リスクを回避!論文執筆に役立つパラフレーズのコツを大公開

剽窃回避方法

論文を作成する際、多くの人が特に注意を払うのが剽窃の問題です。

 

しかし、参考文献をもとに執筆する過程で、

意図せず剽窃率が上がってしまうことも少なくありません。

 

特に、単語を置き換えたり、文章構造を変えたりするだけでは、

剽窃とみなされるリスクが高くなります。

 

そこで重要になるのが「パラフレーズ(Paraphrasing)」のスキルです。

 

今回は、論文の剽窃率を下げるための基本的なパラフレーズのコツをご紹介します。

正しいパラフレーズの方法を身につけ、剽窃の心配なく論文を完成させましょう。

 

パラフレーズの方法

まず、パラフレーズの具体的な方法を紹介します。

以下の5つのステップを踏むことで、効果的にパラフレーズを行うことができます。

 

Step1

原文の意味を完全に理解できるまで、資料を繰り返し読み込みます。

 

Step2

メモを取り、原文の資料で使用されている主要な用語をリストアップします。

 

Step3

リストアップした主要な用語のみを用い、

原文を見ずに自分の言葉で段落を作成します。

 

Step4

作成した文章が、原文の重要なポイントや議論の要点

正しく押さえているか確認します。

 

Step5

文中引用(in-text citation)を適切に使用し、パラフレーズした箇所を明確に示します。

パラフレーズのコツ

以下のポイントを活用することで、

パラフレーズした文章の伝達力をさらに高めることができます。

 

ただし、剽窃のリスクを下げるためには、

これらのポイントのうち1つだけを適用するのではなく、

複数のスキルを組み合わせることが重要です。

 

*赤字で示した箇所は、原文から変更された部分を表しています。

1.能動態/受動態の変更

文章の構造を変える方法として、能動態を受動態に

または受動態を能動態に変更することが有効です。

 

この変更により、文章の構造を変えつつ、

意味を維持しながら自分の言葉で伝えることができます。

 

原文(受動態)

変更された文章(能動態)

Uptake of 300cc injected Regorafenib was reduced by one-third for each .05% of increased hypoxia in the tumored organ.

Each .05% increase in hypoxia in the tumored organ reduced uptake of 300cc injected Regorafenib by one-third.

 

2.同義語辞書(Thesaurus)を活用

同義語辞書を使うと、原文に含まれる単語と似た意味を持つ単語を

見つけることができ、効果的なパラフレーズに役立ちます。

 

ただし、自分が十分に理解していない単語を使ったり、

文脈に合わない言葉を選んだりしないよう注意が必要です。

 

3.シグナリング用語(Signaling term)を含む文章を使用

シグナリング用語を使用することで、文章の流れが自然になり

読者が重要な情報を簡単に把握しやすくなります。

 

また、特定のシグナリング用語を使うことで、

著者の立場を明確に示すことができます。

 

例えば、以下の表のように、同意・反対・中立の立場を示す動詞を用いることで、

原文の内容に対する自身のスタンスを表現できます。

 

中立的な立場

引用文に同意

引用文に反対

Believe

“Miller(2003.p.23) believes that the answer to immortality lies in food…”

Show

“Brooks(1994) showed how nitrogen was essential to the development of life…”

Neglect

“LaJolla(2011,p.12) neglects to include the most important method of analysis…”

Conclude

Observe

Propose

Argue

write

Demonstrate

Evidence

Prove

Confirm

Disregard

Overlook

Pay little attention to

4.原文の複数の文章を一文にまとめる

パラフレーズが重要な理由の一つは、無駄な単語を省きつつ、

原文の内容を簡潔に伝えることです。

 

特に、原文が一つの段落で構成されている場合は、1~2文程度に要約することで、

より簡潔で分かりやすい文章にすることが求められます。

 

原文

The journal primarily considers empirical and theoretical investigations that enhance understanding of cognitive, motivational, affective, and behavioral psychological phenomena in work and

organizational settings, broadly defined. 

Those psychological phenomena can be at one or multiple levels — individuals, groups, organizations, or cultures; in work settings such as business, education, training, health, service, government, or military institutions; and in the public or private sector, for-profit or nonprofit organizations.

簡潔なパラフレーズの例

The Journal of Applied Psychology accepts studies that increase understanding of a broad range of

psychological phenomena and that apply to a variety of settings and levels, not limited by subgroup,

institution, or sector (JAP, 2015).

(出典: Jornal of Applied Psychology Website https://www.apa.org/pubs/journals/apl/)

 

5.同じ文章内で引用とパラフレーズを活用

論文を作成する際、現在の研究と引用された研究を

別々に記述してしまうことがあります。

 

しかし、この方法では、各研究の関連性が薄れ、

読者にとって退屈に感じられる可能性があります。

また、引用が多すぎると、剽窃のリスクが高まるため注意が必要です。

 

こうした問題を解決し、論文をより自然で滑らかな文章にするためには、

パラフレーズした文章の中に適切な直接引用を組み込む方法が有効です。

 

<直接引用文とパラフレーズの組み合わせ>

The Journal of Applied Psychology accepts studies that "enhance understanding of cognitive, motivational, affective, and behavioral psychological phenomena" and that apply to a variety of settings such as "business, education, training, health, service, government, or military institution" (JAP 2015). The studies can be set or observed from a number of levels and are not limited to institution or sector.

*原文は上記と同様

 

【ポイント】

原文から直接引用された内容は、読者にとって重要な情報を正確に伝える役割を持つため、引用符(" ")を使用するのが適切 です。

 

注意事項

原文をパラフレーズする際に、以下の内容を必ず覚えておく必要があります!

 

1.原文の主要な用語と自身の語彙を組み合わせて使用する

 

2.自身の語彙でパラフレーズした場合でも、適切に文中引用を行う

 

3.自身の過去の研究を引用・パラフレーズする際も、

他人の研究と同様に扱い、引用符や文中引用を適切に使用する

 

パラフレーズが難しいと感じる方は、

ぜひWordvice AIの無料パラフレーズツールをご活用ください!

 

テキストボックスに文章を入力し、トーンを選択するだけで、

最も適切な表現に自動で修正 されます。

 

また、原稿作成後に専門家による校正が必要な場合は、

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