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2019年度アメリカ留学のための「Common Application Essay」作成のコツ

こんにちは!英文校正ワードバイスです。

今年もアメリカ留学のためのコモンアプリケーションエッセイの添削依頼が増えてきています。

アメリカの大学への正規留学を希望する場合避けて通れないコモンアプリケーションエッセイの対策に関して、WORDVICEでは過去にもいくつか記事を配信していますが、改めてエッセイに作成に関する注意点を確認してみましょう。

☆過去記事はこちら

wordvicejp.hatenablog.jp

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ベストなエッセイを書くために

Common Appでは、今年1月に既に2018-2019年度のエッセイプロンプトを発表しています。(出題は7つとも昨年度と同じです。)

 

しかし、いくらガイドを読んでも、結局のところどんなエッセイが正解なのかピンとこない、という方もいらっしゃるかと思います。

受験生の個性が十人十色であるだけに、もちろんエッセイの正解はありませんが、エッセイで扱うエピソードのブレインストーミング、下書き、修正の段階に至るまで、参考にしたい注意点を以下で改めて紹介していきますので、執筆に行き詰まった時や自分のエッセイに自信が持てないときには、ぜひ下の内容を参照してみてください。

1.ストーリーを重要視する

出願用エッセイを文章能力を試すものだと思い込み、必要以上に言葉使いにこだわったり、文章を飾り立てようとする学生が多く見られます。しかし、人はどんなに美しい文章を読んでも、後になって頭に残っているのは、文章そのものやフレーズよりも、そこに描かれたストーリーであることが多いものです。

どんな背景や設定の元で、どのような事件が起こり、どのようにその事件が解決され、そこで主人公は何をし、どのような教訓を得たのか?このようなストーリー展開は、単に読者の印象に残りやすいだけでなく、あなたが逆境にどのように立ち向かい、その過程でどのような教訓を得ることができる人間なのかという、入学審査員がエッセイを通して知りたい要素を無駄なく見せる仕掛けになってくれます。

困難に立ち向かう中で成長していく姿勢は、トップ校の厳しいカリキュラムについていくために、なくてはならないものと言えるでしょう。

Pro-tip: ストーリーを語る際に、ある行動の中間からあえて記述することで、読者の注意を引くというテクニックがあります。そこから初めに戻って、事件の背景や詳細について記述した後、事件をどのように解決したか書いてみましょう。

2.自分だけの「特別な何か」を盛り込む

エッセイは、読む人を楽しませる意識で書いてみるのがポイントです。例えば、本の中で読者は登場人物や著者の深い考えや、予想外な行動、印象的な言動に心動かされるものです。読者は文中の記述から登場人物のキャラクターを理解し、また同時にその登場人物の目線で世界を眺め、理解していきます。大学出願用エッセイのようなパーソナルエッセイの場合、あなたは一人称の視点から自分を語ることになります。これは、あなたが記述するすべての行動や出来事には、あなただけの解釈のフィルターがかかっているとも言えるでしょう。

ここで、あなたの中にある「特別な何か」が必要になります。

世界屈指の秀才がひしめきあう中で、あなたは大学にどのような個性や才能を添えることができるでしょうか?自分の長所や才能が分からないという方は、逆に欠点やコンプレックスから考えてみましょう。あなたの「魅力的な欠点」は何でしょうか?例えば、不安障害を持っているあなたは、きっと他の人にはできない何か特別な体験をしているはずです。奇抜な趣味にも、当事者にしか分からない情熱があるでしょう。普段は世間に理解してもらえない趣味や趣向も、エッセイを通して入学審査員の心を動かす貴重な「ネタ」になるかもしれません。

重要なのは、あなたがなぜ、何をして、何を考えたのか(考えているのか)ということを把握し、その行動や思考のプロセスを分かりやすく示すことで、読者を引き込むことです。

Pro-tip: エッセイにはポジティブなことしか書いてはいけない、と思い込むのはやめましょう。自分の弱点を正確に分析し、臆することなくエッセイで述べるということは、それだけ高い自己分析能力と成熟した精神がなければできません。そのような態度は、もちろん大学生として必要不可欠なものです。

3.「語る」のではなく「見せる」

エッセイにはストーリーが重要であることを1で紹介しましたが、ここでは小説や詩に向けてよく使われる言葉である“Show, don’t tell.”という言葉を使って強調しておきましょう。

この格言は、著者が文章を書くときは、文章と読者が理解し感じるものとの間に、より直接的な関係を作らなくてはならないということを意味しています。エッセイライティング初心者の多くはもちろん、プロのライターであっても、往々にして自分の頭の中の筋書に基づいて口先だけで「語って」しまい、第三者が読んだときに、そこに描かれた状況や著者の考え方がさっぱり理解できないといった、独りよがりなライティングという落とし穴に落ちてしまいます。

これは「summary」 (telling) と「description」(showing)という言葉が示す意味の違いを考えてみると、分かりやすいかもしれません。「要約」するときは、抽象的な名詞や形容詞を使用して、より一般的に物や出来事、感情の全体像を描写する傾向がありますが、反対に「説明」するときは、読者や視聴者が物事や状況を鮮明にイメージできるよう、詳細で直接的な言葉を使って描写するでしょう。

例えば、高校の生物の授業(AP biology)が特に好きで、得意だったとしましょう。この経験をエッセイで語るときには、次の2通りの言い方ができます。

Telling: “I really enjoyed all of my AP courses, but AP biology was the best. The teacher was excellent and I received superlative grades on tests and assignments. I even made a fantastic project that impressed all of my classmates. I consider this the apex of my academic success in a single class.

ここで執筆者は“the best,” “excellent,” “superlative grades,” “fantastic project”など、曖昧な形容詞で経験を記述していることが分かるでしょう。これでは、経験や感じたこと、成績などについての情報があまりにも漠然としていて、詳細が伝わってきません。「~と感じた。」「~(形容詞)だった。」と表現する時には、具体的にどのような物事や行動があなたにそのような感情を生まれさせたのか、という点まで意識することが必要です。

次の例は“showing”型のエッセイのサンプルを挙げてみます。上と同じ内容なのにも関わらず、クラスで行った努力、その成果、客観的な評価、教師の人物像や指導内容が事細かに説明されているのが分かります。また、最後には今後課題となるであろう事項への取り組み方をそのような経験から学んだ、と記していることで、出願用のエッセイの展開として説得力のある構成を有しているのも評価できます。

Showing: “My high school capstone of scientific achievement was my success in “AP Biology,” where I focused preparation and perseverance onto tests, projects, and even daily assignments, even winning second place at the county science fair with my exhibit on aphids. However, I owe much of this success to my remarkable teacher, Ms. Jensen, whose knowledge of all things biological and whose tenacity in expressing this knowledge encouraged me to spend the majority of my afternoons researching and building my exhibit. Her one-on-one weekly meetings gave me the constructive criticism I will need when I write graduate-level research papers…”

上の2つの文章を比べて分かるように、詳細で鮮明な描写は、読者に強い印象を残すために不可欠な要素と言うことができます。エッセイを通して、あなたの人物像を絵を描くように生き生きと説明できれば、味気ない成績や経験の箇条書きでは表現できない、あなたの考え方や魅力を効果的に伝えられるはずです。

Pro-tip: 上で述べたような、文章を通して「見せる」ための表現力を磨くには、名作と言われる詩を読んでみると良いでしょう。詩は、あらゆる状況や光景、感情の動きを、限りなく少ない言葉で描写した、まさに「見せる」文章の究極形と言えます。詩とまではいかなくとも、限られたワード数のエッセイであなたの魅力を最大限に表現するには、このように効果的な描写の技術を身に着けておくに越したことはありません。

4.まずは書いてみること!編集は後で!

ライティングの経験が少ない人ほど、最初から完璧なライティングを目指す傾向があります。しかし、小さな文法やスペルのミスや言葉遣いなどは、最終段階に入ってからいくらでも修正ができます。初めから完璧なひとまとまりの文章を書くということは不可能に近く、細かいところにこだわっている隙に頭の中に浮かんでいた良いアイディアをみすみす取り逃がしてしまうこともあります。

スムーズに執筆を進めるうえで、以下のコツを頭の隅に入れておきましょう。

  • Free-write

タイマーを10~30分間で設定し、その間はとにかく文章を書き進めるというテクニックを使ってみましょう。その間だけは、何に対して書くかというテーマだけを意識し、それ以外の文法やフレーズのおかしさなどライティング面の問題を一切無視し、読み返さないようにします。とにかく新しい内容を頭から用紙に移し替えるようなイメージで書いていきます。

  • Outline your draft

アウトラインは地図のようなもので、文章を書き進めていて行き詰ったり、文章が思わぬ方向に向かってしまうのを軌道修正する役割を演じます。また、アウトラインでエッセイの起承転結をあらかじめ把握しておくことで、とりあえず文章は書いてみたけれども、見直していくと筋道が通っておらず結局ほとんど修正する、などといった無駄な時間や労力も最小限に抑えることができます。

  • Write your first draft by hand

コンピュータでの文書作成が一般的な昨今では、紙とペンでの手書きはアナログで古臭い印象を受けるかもしれませんが、エッセイの下書きに関しては手書きが功を奏する場合もあります。タイピングは書くのも消すのもが瞬時にできてしまいますが、手書きの場合は修正したり推敲した痕跡を残しやすかったり、じっくりと向かい合う分生まれるアイデアもあります。

 

文章を書くのと修正するのは全く異なる二つの段階と考え、まずはひとまとまりの文章を完成させる癖をつけておきましょう。また、下書きが完成した段階で第三者からのレビューを受けておくのも重要です。文法やスペルのミスは最終段階でも可能ですが、エッセイのエピソード選択や方向性の修正は、本格的にエッセイが完成してからでは難しくなってしまいます。

また、受験用エッセイの場合はどれだけ英語に自信があっても、必ず信頼できる教師やプロのエディターに一度チェックを受けるようにしましょう。代筆や度の過ぎたコンサルティングはおすすめしませんが、伝達力が重要になるエッセイの場合、テクニック面で磨きをかけることも重要だからです。

英文校正ワードバイスでは、コモンアプリケーションエッセイに限らず、大学院・MBA出願用のエッセイや研究計画書の校正も最短9時間から承っています。


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