おそらく参考文献リストで、文献の最後に”doi,”の後に長い数字の記載を見たことがあったり、もしくはその記載が必要であると言われたことがあると思います。では、”DOI”とは何の略称なのでしょうか。DOIとはdigital object identifierの略で、International DOI foundation(国際DOI財団)で基準化された独特な英数字で、ウエブサイト上のデータベースで認証する為に、電子ジャーナル記事、政府の報告書、書籍、その他の電子記事に紐付けするものの事です。URLとは異なりDOIは変更しませんし、通常、多くのジャーナルや文献スタイルは文献リストにDOIの記載を推奨しています。
doi:10.4324/9780203449530
DOIの記載場所は?
ジャーナルにDOIが記載される場合は、通常記事の1ページ目、おそらくヘッダーかフッターに記載されている事でしょう。
DOIが記事の中で見つからない場合は、”cite this article”をクリックするか、ジャーナルのウエブサイトを探して見てください。そこに記載されている場合があります。
DOIの探し方 (DOIの調べ方)
全DOIが保管されている中央DOIシステムがあるわけではありませんが、記事や書籍の名前、執筆者、課題で検索するとサーチエンジン(search engines)からDOIを見ることが出来ます。DOIを持つ記事は、記事情報の中で ”Detailed Record”(詳録)、”Abstract”(要約)、”Abstract/Detail”(要約/詳録)などと呼ばれます。そのような記録がない場合は記事のタイトルページをクリックしてみましょう。
それでもDOIが見つからない場合は、Crossref websiteを利用してDOIを検索できます。Crossrefとは研究記事にDOIを指定する機構です。Crossrefの記事でもDOIが見つからない場合はお探しの記事にはDOIが紐付けられていないと思って下さい。大学によっては、大学内の図書館(university libraries)でDOIを調べてくれたり、調べ方を教えてくれる場合もあります。
APAスタイルのDOIに関するガイドライン
現在、ほとんどの出版物はオンラインでアクセスが可能な為、参照文献の最後にDOIが記載されています。DOIが無い場合はURL(uniform resource locator)が記載されます。
APA引用書目でのジャーナル記事(執筆者、出版年、タイトル、ジャーナル名、号番、ページ範囲)には可能な限りDOIを記載します。DOIが不明で、データベースではなくてジャーナルのウエブサイトから同記事にアクセスした場合は、ウエブサイトのURLを記載します。もしも”share”などの選択ボタンが無い場合は、ブラウザーに出てくるウエブサイトのアドレスを直接文献リストにコピーします。記事にDOIが紐付けられていなくて、学術データベースで見つけたり、印刷された出版物で読んだことがあるような場合は、DOI番号は省略します。引用したいオンライン記事にDOIとURLの両方がある場合は、DOIのみを記載します。APAスタイルの参照文献では、the International Standard Book Number (ISBN)やthe International Standard Serial Number (ISSN)のような他の英数字は記載しません。
プロによるアドバイス 1: ログインや購読を要求してくるデータベースやアーカイブがありますが、そのような場合はデータベースやアーカイブのホームページかログインページのURLを記載します。APAウエブサイトで説明されている詳細は、こちらをご覧ください。また、記事にDOIが紐付けられていない上、URLが既に存在しなかったり読者がアクセス出来ない場合のアドバイスはこちらをご覧ください。
プロによるアドバイス2: 投稿前に必ず、手作業で参照文献リストのDOIが正しい事を確認してください。
APAスタイルは下記も推奨しています。
- エラーを避ける為、DOIはブラウザーから文献リストに直接コピペすること
- 大文字化(capitalization)や句読点(punctuation)を変えないこと
- ワードプロセッシングプログラム (word-processing program)が自動的にしない限り改行はしないこと
- リンク(the link)に影響を及ぼす為、DOIやURLの後にピリオドはつけないこと
APAスタイルでのDOIのフォーマット
APAスタイルの参照文献リスト (APA Style reference lists) では、DOIとURLは”http:”か”https:”から始まるハイパーリンク(hyperlinks)としての記載を規定しています。ハイパーリンクで直接記事にアクセス出来るので、”retrieved from”や”accessed through”などの前書きは不要です。これらのリンクはワードの既定設定 (通常青色の文字で下線が入ります)通りに文献リストに記載してもいいですし、もしくは平分表示(plain text)でも構いません。
APAスタイルでのDOIの記載例
APAスタイルが推奨している文献リストのDOI表示は、https://doi.org/xxxxxです。”XXXXX”の部分は、記事にリンクするDOI番号を記載します。
フォーマット方式は時と共に変化してきましたが (例えば、“http:/dx.doi.org/” や “DOI:”のように、古い出版物を表すときに番号が使われる習慣がありました)、今ではAPAスタイルはDOIの標準表示を推奨しています。
例えば、過去の出版物のDOI表示がhttp:/dx.doi.org/10.1037/a0040251 だったとしても、現時点での標準規定に沿うように、https://doi.org/10.1037/a0040251 に変更するべきです。
APAスタイルのDOI表示は下記のようになります。
Gatz, M., Smyer, M. A., & DiGilio, D. A. (2016). Psychology’s contribution to the well-being of older americans. American Psychologist, 71(4), 257–267. https://doi.org/10.1037/a0040251
MLAスタイルのDOIに関するガイドライン
MLAスタイル (the MLA Style Guidelines) でも文献リストにDOI表示を求めていますが、”doi:” (doi:10.1037/a0040251) のような簡素表示を推奨しています。記事にDOIが無い場合はstable URL (例:www.jstor.org/stable/43832354)を表示しましょう。
MLAスタイルでのDOIの記載例
Gatz, Margaret, Michael A. Smyer, and Deborah A. DiGilio. “Psychology’s contribution to the well-being of older americans.” American Psychologist 71.4 (2016): 257. doi:10.1037/a0040251
シカゴスタイルのDOIに関するガイドライン
シカゴ マニュアル オブ スタイル (the Chicago Manual of Style) も他のスタイルガイドと同様、オンラインからのリソースには可能であればDOI表示を、可能でなければURL表示を、もしくは他情報(データベースのタイトル等)の表示を推奨しています。これは、読者がオンラインで同記事を見つける事が出来るようにする為です。シカゴスタイルが好むDOI表示はhttps://doi.org/10.1086/690235 です。
シカゴスタイルでのDOIの記載例
Keng, Shao-Hsun, Chun-Hung Lin, and Peter F. Orazem. “Expanding college access in Taiwan, 1978–2014: effects on graduate quality and income inequality.” Journal of Human Capital 11, no. 1 (2017): 1-34. https://doi.org/10.1086/690235
DOIに関してのよくある質問
ジャーナル記事のDOIの見つけ方は?
通常は学術データベースを開くと、記事の1ページ目のどこかに “doi.org” や “DOI:”から始まる表示があるはずです。見つからない場合は、”cite article”、”details”と表示されたリンクを探してください。
それでも記事のDOIが見つからない場合は、大学の図書館やCrossrefのようなウエブサイトで、執筆者、記事のタイトル、ジャーナル名、発行年で検索してみて下さい。
引用文献ではURLとDOIのどちらを記載するべき?
DOIが分かるのであればDOIを使うべきで、Crossref.orgでも引用文献のDOIが見つからない場合はURLを使うのが一般的なルールです。
APAスタイルでのDOI表示方法は?
下記のように、引用文献の最後にhttps://doi.org/から始めて記載します。
Gatz, M., Smyer, M. A., & DiGilio, D. A. (2016). Psychology’s contribution to the well-being of older americans. American Psychologist, 71(4), 257–267. https://doi.org/10.1037/a0040251
MLAスタイルでのDOI表示方法は?
MLAスタイルの引用文献でも、引用文献の最後に “doi” から始めて記載します。
Gatz, Margaret, Michael A. Smyer, and Deborah A. DiGilio. “Psychology’s contribution to the well-being of older americans.” American Psychologist 71.4 (2016): 257. doi:10.1037/a0040251
シカゴスタイルでのDOI表示方法は?
シカゴスタイルの参照文献リストの表示方法は全体的に他のスタイルとは異なりますが、APAスタイルの引用文献と同様にDOIは”https://doi.org/”から始めます。
Keng, Shao-Hsun, Chun-Hung Lin, and Peter F. Orazem. “Expanding college access in Taiwan, 1978–2014: effects on graduate quality and income inequality.” Journal of Human Capital 11, no. 1 (2017): 1-34. https://doi.org/10.1086/690235
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