こんにちは。ワードバイスです。
今回は、英語論文の校正でよく見られる3つのミスについてご紹介します。
これらのミスを避けることで、より専門的で効果的な論文作成の第一歩を踏み出すことができます。
1.文法の誤り
まず一つ目に挙げられるのは「文法の誤り」です。
英語で論文を作成する際、主語と動詞の不一致、名詞と代名詞の不一致、前置詞の使用ミスなどが頻繁に見受けられます。
こうした文法上の誤りは、
論文の可読性や専門性を著しく低下させる可能性があります。
そのため、文章を作成した後に
文法をしっかりと確認することが重要です。
2.不適切な表現の使用
二つ目に多いのは「不適切な表現の使用」です。
論文を書く際に、適切でない語彙やフレーズを選んでしまうケースがしばしば見られます。
語彙の選択ミスや文章構造の不備、表現力の不足は、
読者が内容を正確に理解する妨げになるだけでなく、
論文全体の専門性を低下させる原因になります。
したがって、使用する表現について慎重に確認することが求められます。
3.一貫性の不足
最後に挙げられるのが「一貫性の不足」です。
英語論文では、一貫性が非常に重要です。
テーマや時制、専門用語の使用などにおいて一貫性を保つことで、読者が内容をスムーズに理解できるようになります。
一貫性を欠いてしまうと、
読者が内容を理解しづらくなるだけでなく、
論文全体の品質にも悪影響を与えかねません。
英語論文の主な目的は、説得力のある情報伝達を行うことです。
そのためには、高い文章力が不可欠です。
特にアメリカやイギリスの学会や企業では、内容だけでなく、
学術的な文体や句読点の正確な使用が重視されます。
では、具体的にどのようなミスが起こりやすいのでしょうか?
01.Such as VS. Like -包括 VS 同等‐
1. Such as の用法
“A such as B”という構造では、AはBを含む広い概念を指し、
BはAの下位グループの一例を表します。
このため、「Such as」は具体例を挙げて包括的な範囲を説明する際に使用されます。
2. Like の用法
一方で、“A like B”という構造では、
AとBは上下関係にあるわけではなく、
Bと似た特徴を持つ同等の概念を示します。
この場合、「Like」は「類似性 (Similarity)」を表すため、
具体例ではなく比較や共通点を示す際に適しています。
前後を入れ替えて確認する
AとBの関係を判別するには、前後を入れ替えて文章が自然に成立するかを確認すると良いでしょう。
- 不自然になる場合:AはBを含む広い範囲を表しているため、「Such as」を使用します。
- 自然に成立する場合:AとBが同等の概念であるため、「Like」を使用します。
例文で確認
例1) I love bright colors such as orange and yellow.
この場合、“bright colors”は
“orange”や“yellow”を含む広い概念を指します。
「Like」を使うと、“bright colors”と“orange”や“yellow”が同等の概念であると解釈され、不自然になります。
よって、この場合「Such as」を使うのが適切です。
例2) She is wearing a dress like mine.
この文章では、“彼女のドレス”と“私のドレス”が
同等の概念として扱われています。
つまり、両者が似ていることを表しているため、
「Such as」ではなく「Like」を使用するのが正しい選択です。
02.現在形の使用 ‐論文の内容紹介、事実や結論
論文を紹介したり、実験で得られた事実や結論を記述する際には、基本的に現在形 (Present tense) を使用します。
1. 論文の内容紹介における現在形の使用
論文の目的や主題を述べる際、現在形を用いることで内容が現在進行形のテーマであることを強調できます。
例文
- This paper is concerned with the influence of a mother’s health on an infant’s behavior.
(本論文は、母親の健康が乳児の行動に与える影響について取り上げています。) - In this paper, we study the newly developed method for constructing psychological theories.
(本論文では、新たに開発された心理学理論構築の手法について研究しています。)
2. 論文要旨 (Abstract) における現在形の使用
要旨では、論文で述べている内容や主張を現在形で表現することが適切です。これにより、研究の意義や結果が今なお有効であることを明示できます。
例文
- This study indicates that there is a strong correlation between gender and annual income.
(この研究は、性別と年間収入の間に強い相関があることを示しています。)
3. 研究や実験結果を議論する際の現在形
研究や実験を通じて得られた結果を議論する場合も、現在形を使用します。
これは、得られた知見が「今もなお有効な事実」であることを示すためです。
ポイント
- 実験手順や過去の行動を記述する際には過去形を使用しますが、結論や議論においては現在形を使うことが基本です。
例: - 実験の説明 → 過去形 (We conducted a survey to analyze...)
- 結果の議論 → 現在形 (The findings suggest that...)
03. 過去形の使用 – 実験や過程の説明
論文では現在形 (Present tense) を用いて内容や結論を提示しますが、その結論に至るまでの実験や過程を説明する際には過去形 (Past tense) を使用します。
1. 過去形の使用例
実験の手順や研究過程を述べる場合、過去形を使用することで、それらの行為がすでに完了した事柄であることを明確に伝えることができます。
例文
- In another session, the volunteers looked up at questions that phrased the question in a different way.
(別のセッションでは、ボランティアが異なる言い回しで出題された質問を調べました。) - The experimental group received special treatments that were intended to check the effects of cigarettes on human longevity.
(実験群はタバコが人間の寿命に与える影響を調査するために特別な処置を受けました。)
2. 過去形を使う理由
論文は、主に実験や研究の結果に基づいて議論を展開します。
そのため、結果を得る過程を記述する際には、行った行為が過去の事実であることを示す必要があります。
具体的には以下のような場合に過去形を使用します:
- 実験の設計や手順
- データ収集方法
- 実験参加者が行った行動
- 実験で使用した装置や設定
3. 現在形との使い分け
- 現在形: 結果やその解釈、結論を提示する際に使用。
- The results suggest that...
- 過去形: 実験や研究過程を説明する際に使用。
- We conducted experiments to investigate...
このような文法や表現のミスを避け、
論文の完成度をさらに高めるためには、
専門家のサポートを受けることが最も効率的です。
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