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一般的に困惑し易く、間違って使われる英文慣用句

 
 

英語は多くの言語や方言が織りあっている為、困惑してしまう単語や句が多々あります。似た単語や句が間違って使われたり、英語が母国語でない人々や、時には英語を母国語とする人々の間でも間違って使われることが多々あります。スペルが似ていたり、言葉の響きが同じ単語が多数あるので、これらの似た単語や句の違いの識別は難しいかもしれません。

でもご心配なく。この記事では、一般的に困惑してしまう単語や句を比較して、それらの定義と例を掲げ、正しい使い方を記載します。これは完成された総合リストではありませんが、単語や句の違いやパターンを認識する手助けになればと願っています。

一般的に困惑し易い英単語

ここでは最も困惑し易い英単語をアルファベット順にリストします。あなたも間違った使い方をしていないか確認してください。

Adverse とaverse

どちらも形容詞です。adverseは人の成功を妨げたり不利にするという意味です。averseは自分が強く反対する事を示します。

AdverseとAverseの例:

“I just got adverse news to my health goals from my doctor yesterday.”

(健康が目標なのに、不利な知らせを昨日医師から受けた)

“I’m not averse to taking another health test if I have to.”

(必要なら再検査を受けることに反対しない)

AffectとEffect

Affectは動詞で影響を及ぼすという意味。Effectは名詞(noun)で出来事や行動の結果や原因という意味。

AffectとEffectの例:

“Dumping more carbon dioxide into the atmosphere affects the climate situation in a negative way.”

(炭酸ガスを更に空気中に流し込むのは気候状況に悪影響を及ぼす)

“What is the exact effect of dumping CO2 into the atmosphere?”

炭酸ガスを空気中に流し込むと何がおこるか)

ElicitとIllicit

Elicitは動詞で誰から何かを得る(例えばお金、ギフト、情報)こと。Illicitは形容詞で違法(illegal)、禁じる(prohibited)という意味。

ElicitとIllicitの例:

“The job of a good political campaign manager is to elicit donations from supporters.”

(優れた政治キャンペーンのマネージャの業務は支持者から寄付を得ることである)

“The black-market handbag gang made over $10 million in illicit product sales last year.”

(昨年の違法商品販売における闇市でのハンドバッグの売り上げは1千万ドルを超えた)

FartherとFurther

この二つの単語の使い方に関しては多くの賛否両論がありますが、どちらも比較級を表す形容詞(comparative adjectives)であり、時には副詞(adverbs)としても用いられます。会話のどの部分で使用するかによって形容詞か副詞かの区別がつきます。

最も簡単なルールは、1)文字通り、もしくは比喩表現で距離を表すのであればfarther を用います。2)単に「もっと」という表現の場合はfurtherを用います。更に複雑なのは、同じ意味として使う場合でも、アメリカ人はfartherを、他国の英語圏ではfurtherを使うので、どの国の英語を用いるかによっても異なるということを覚えておきましょう。

Farther とFurther の例:

“That guy can throw a ball farther than any athlete I have ever seen.”

(彼は、私が見たことのあるアスリートの中でも一番遠くまでボールを投げることが出来る)

“The water well is a bit further down the road, according to my map.”

(地図によると、井戸はこの道をもう少し行ったところにある)

ImpliedとInferred

ここでは過去形(past tense)を使っていますが、どちらも動詞で、学術的な設定でもカジュアルな日常会話的な設定でも困惑を招き易い。基本的にはimplied (“to imply”)は誰かが何かを言った、もしくは記述したことに対して、言わなかったけれど暗示された意味を表現します。Inferred (“to infer”)は通常、視聴者や読者がステートメントの内容を推測すること。どちらも修辞的は似た意味を持ちます。

ImpliedとInferredの例:

“When speaker said that bats are the most spectacular flying creatures, he implied that they are even more spectacular than birds.”

(演説者が、飛ぶ生き物の中でコウモリが最も壮観であると言ったが、それは鳥よりもコウモリの方が壮観であると暗示している)

“I inferred from the speaker’s statement about bats that he thinks they are more interesting than birds.”

演説者の表名文から、コウモリは鳥よりも興味深いと演説者が暗示しているのが伺える。

LieとLay

この2つの単語は特に米国英語の日常会話でよく使われます。Lieは動詞で表面に横たわるという意味。通常横たわったり、仰向けで横になるという意味。Layは置くという動詞の意味で、通常は物、動物、小さな人に使われます。

LieとLayの例:

Rebecca lies down to take a nap every afternoon at 2PM. She usually falls asleep within five minutes.”

(レベッカは毎日午後2時にお昼寝をする為横になる。大抵5分以内に眠りにつく)

“Tim told Mary to lay down the hammer on the table, as she was swinging it a bit too wildly.”

(ティムはメアリーに、振りが少し激しくなってきたハンマーをテーブルに置くように言った)

LoseとLoose

Loseは物や人を置き忘れたり、物や人が見つからない意味の動詞。その他にも、取り上げられる(forfeit)とか勝つの反対を意味することもあります。Looseは緩い(slack)、融通の利く(flexible)、ぴたりと当てはまらない(not well-fitting)という形容詞です。多くの形容詞と同様、Looseも副詞としても複数の意味がありますが、文章の内容や場所によって意味が異なります。英文を書く上で、この二つの単語は困惑し易いので気を付けましょう。

LoseとLooseの例:

“Jim loses his sunglasses every time he goes to the beach.”

(ジムはビーチに行く度にサングラスを無くす)

“They always manage to lose the game at the last minute.”

(あのチームは試合の最後になっていつも負ける)

“This bottle cap is too loose – the soda is spilling out onto my pants!”

(このボトルの蓋は緩すぎて、ソーダがズボンに溢れ出ている!)

“Her dance moves are much looser than they were last time I saw her at the club.”

(彼女のダンスの動きは、前回クラブで見た時よりも遥かに和らいでいる)

RegardlessとIrregardless

この二つの単語に関しては意見の相違があり、後者は英単語として正しくないという説がある。Regardlessは正しい形容詞であり、「受け付けられた、もしくは潜在的な状況にも関わらず」という意味。Irregardlessは慣例的にはregardlessから形成された正しくない単語であるとみなされていますが、過去数百年前からIrregardlessが使用されているケースが検証されているので、ほとんどの英語辞典では正式使用が許可されています。

RegardlessとIrregardlessの例:

Regardless of the weather conditions, we are going to play that baseball game tomorrow.”

(いかなる天候でも明日の野球の試合は行います)

Irregardless of the difficulties I might face, I still have to pay rent at the end of the month.”

(難事に直面しても、月末には家賃を払わなければならない)

TheirとThereとThey’re

この3つの困惑し易い単語はインターネット上のフォーラムやコメントの箇所のありとあらゆる箇所で見られ、人は、他人の間違った使い方を訂正するのが大好きです。Theirは複数形の所有代名詞(possessive pronoun)、Thereは場所を示す副詞、They’reはthey areの短縮形(2つの単語をアポストロフィ/apostropheを用いて繋げる)です。

TheirとThereとThey’reの例:

Their house is the largest one on the block.”

(彼らの家はその通りで一番大きい)

There is a haunted house over there at the end of the street.”

(この通りの突き当りに幽霊屋敷があります)

“Who are these people? They’re not living in this house now, are they?”

(この方たちはどなたですか?この家には住んでいませんよね)

WhoとWhom

この2つの関係代名詞(relative pronouns)は文の2つの要素を表します。Whoは主語を示すときに使われ、疑問文にも平叙文にも使われます。Whomも疑問文や平叙文の同じ個所で使用出来ますが、直接目的語か間接目的語を示します。

WhoとWhomの例:

“Who owns that shiny new sports car?”

(あのピカピカの新車のスポーツカーは誰のもの?)

“I don’t know who owns it, but I know who is renting it.”

(誰が所有しているかは知らないけれど、借りている人は知ってます)

“To whom did you give all of our money?”

(私たちのお金をいったい誰にあげたの?)

“I don’t remember whom I gave the money to.”

(お金を誰にあげたかは覚えていない)

単語(One-word)と2つの単語の組み合わせ語(Two-word Combinations)

1つの単語であるべきか2つの単語であるべきかで困惑を招く単語が多々あります。つまり、多くの英語の単語は複合名詞(compound nouns)であるため、2つの単語が組み合って作られた言葉が多数あります。1単語、2単語、どちらを使うべきかは文章の内容によりますが、識別方法を知っていると執筆の質が向上します。

これらの単語にはanywayとany wayやeverydayとevery dayとaltogetherとall togetherなどがあります。これらの言葉は会話の中で聞くと、ほぼ同じに聞こえるのが特徴です。

AnywayとAny way

Anywayは「どちらにしても」、「要するに」という意味の副詞、もしくはカジュアルな会話の中のつなぎ言葉として使われます。Any wayは「どんなマナーや方法でも」という意味です。

AnywayとAny wayの例:

“Anyway, my overall point is that there are too many regulations in kids’ sports these days.”

(とにかく、言いたいことは、最近の子供たちのスポーツは規制がありすぎるということです)

“You can trim your bushes in any way you choose, just as long as it follows the housing association guidelines.”

(ハウジングアソシエーションのガイドラインに沿っている限り、どのように低木を刈り込んでも問題ありません)

AltogetherとAll together

Altogetherは「全体的な」「全てを一緒にした」という意味の副詞です。All togetherは複数の者や人が一緒に同時に何かをしているという意味の句です。

AltogetherとAll togetherの例:

“Altogether, the cost of replacing the roof will cost at least $12,000.”

(全て合わせると、屋根を交換する費用は$12,000です)

“Let’s sing the fourth verse of the Christmas carol. All together now!”

(クリスマスキャロルの4節目を歌いましょう。一緒に、さあどうぞ!)

EverydayとEvery day

Everydayは「平常の」「ありふれた」という意味の形容詞です。Every dayは副詞で、毎日、もしくはほぼ毎日何かをしているという意味です。

EverydayとEvery dayの例:

“The everyday items we buy at the store are largely composed of petroleum-based plastics.”

(お店で買う日常商品は石油系プラスチックでできたものばかりだ)

“The family spends at least $50 on food supplies every day during their vacations.”

(バケーション中は毎日最低50ドルは一家の食料品に費やす)

多くの英語の表現や慣用語は翻訳で本来の意味が失われてしまう。

 

間違って使われやすい英文句

困惑を招く言葉の他に、英語を話す上で、慣用語や日常会話句を含めて、多くが間違った句や表現を使う場合があります。長い年月、普通の言い回しだと思って使っていた言い回しが全くの間違いだった知ることもあります。

このような間違いを妨げる為に、下記の困惑する表現を暗記して、次回の社交の場で間違った表現を使わないようにしましょう。

Wrong: “By in large”

Right: “By and large”

「全体的に」「全てを考慮すると」と表現するときはby in largeとは言わないこと。正しい表現はby and largeです。

“By and large”の文中の例:

By and large, everything in the meeting went according to plan.”

(全体的に、会議は全て計画通りだった)

Wrong: “For all intensive purposes”

Right: “For all intents and purposes”

「ほとんど全部の場合」「実際は」と表現するときによく間違える英文句です。正しいのは”for all intents and purposes”です。声を出して言うと、ほぼ同じに聞こえます。

“For all intents and purposes”の文中の例:

“He said he will call the manager tomorrow, but for all intents and purposes, the deal is dead.”

(彼は、明日マネージャーに電話をするといったが、どの点から見ても取引は決裂である)

Wrong: “One in the same”

Right: “One and the same”

前置詞的な句である”in the same”が曖昧なので、抽象名詞である”one”と同時に使うと、“One in the same”の意味は不明です。正しい言い方は”one and the same”であり、別の人物に思えた2人が実は同人物や物であるという表現に使われます。

“One and the same” の文中の例:

“Isn’t it obvious,” Sherlock asked Holmes. “The woman wearing the red shawl and the mysterious dinner guest are one and the same–and she committed the murder.”

(「明確じゃないか?」シャーロックはホームズに説いた。「赤いショールを着ている女性とデイナーのミステリアスなゲストが同一人物であり、殺人を犯したのだ」)

Wrong: “Tow the line”

Right: “Toe the line”

多くの困惑する表現や間違って使われる句はかなり古い起源からきています。その為、引き船が船を引くような”tow the line”は納得がいくかもしれません。でも、正しい表現は、何があってもリーダーや団体の指示に従うべきであるという意味の”toe the line”です。この表現は、兵隊が機動演習の時にまっすぐな列に並んで立って、少しでも列から外れないという語源です。

Toe the line”の文中の例:

“We don’t always want to do what the head manager says, but we usually toe the line and do whatever work we are asked to do just to keep our jobs.”

                       

英語でよく使われる語句の比較

上記の困惑する表現や間違って使われる句の他に、非常に一般的に使われている多くの句(commonly used phrases)があります。これらは間違って使用されているわけではなく、どちらも正しいのですが、片方の句のほうが、もう片方よりも頻繁に使用されています。

下記のcommonly used phrasesは英語の柔軟性を表している上、言葉の意味や使い方を決める際、コンテンツが非常に重要である事を表しています。

more thanとmore then

more thanは2つのものを比較するとき使います。more thenはmoreとthenの各単語が文中でたまたま隣り合わせで表示されることがあるかもしれませんが、それ自体に意味はありません。

more thanとmore thanの例:

“It seems like we have more than enough food to go around this time.”

(今回は全員分の十分な食べ物がありそうですね)

“What could be more fun than a picnic on a nice summer day?”

(快適な夏の日にピクニック以上に楽しい事はありますか?)

“We go for more and then we go even further.”

(もう少し行った後で、もっと先に行く)

which number とwhat number

使い方によりますが、どちらも似ていて、時には同じ意味を持ちます。what numberは一つの番号のみを示して、他のコンテンツや番号は不要です。which numberは通常、多くの数字があるうちの一つの数字を示しています。ただ、これらの句は殆ど同じ意味で使用できます。

which number とwhat numberの例:

Which number is it? Look and find the correct number to answer the question.”

(どの番号ですか?正しい答えの番号を見つけてください)

What number should come next? A. (1/3), B. (1/8), or C. (1/4)?

(次に来るのはどの番号ですか?A. (1/3), B. (1/8), or C. (1/4)?)

what happened toとwhat happened with

これらのフレーズではtoとwithの使い方によって意味が変わってきます。”what happened to”は通常、特定の人物、団体、人々、場所を示します。”what happened with”は通常、状況やイベントを示します。

what happened toとwhat happened withの例:

“You saw what happened to Terry, right?”

(テリーに何が起こったか見たでしょう?)

“So, what happened to the car last night? I heard a huge crash at 2AM.”

(昨夜車に何が起こったの?午前2時頃大きな追突音を聞いたけど)

“Look what happened with Ultron and Wonderman.”

(ウルトロンとワンダーマンに何が起きたのか覚えてるでしょう)

“I forgot to tell you what happened with Rachel and me at school today.”

(今日レイチェルと私に何が起きたか言い忘れました)

simplerとmore simply

Simplerは比較級形容詞(comparative adjective)で、more simplyは比較級副詞(comparative adverb)です。Simplerは2つ以上の物や動作を比較するときに使い、simplyは2つ以上の動作が起こった状況を示すときに使われます。

simplerとmore simplyの例:

“Did you know that there is a simpler way to make cheese?”

(チーズのもっと簡単な作り方があるのを知っていましたか?)

“I need a simpler method for this task”

(私にはもっと簡単な業務のやり方が必要です)

“Could you figure out a way to do this more simply?”

(もっと簡単なやり方を見つけてくれますか?)

More simply speaking, tell him he’s not invited.”

(もっと簡単に言えば、彼は招待されていないと言ってください)

sounds greatとsound great

この2つは同じ意味です。通常sound greatは複数形名詞と一緒に使われます。sounds greatはアイデアや提案に関して使われます。英語を母国語としない人は、主語と動詞の同意事項(subject verb agreement rules)を守るように気を付けましょう。単数名詞には単数動詞型を使いますし、複数名詞には複数動詞型(verb forms)を使います。下記はESLの学生が最も間違える例です。

sounds greatとsound greatの例:

“Community power sounds great, but how do we do this?”

(コミュニティー発電はいい考えだと思うけど、どうやるの?)

“This band sounds great! What is their name?”

(上手なバンドだけど、名前は?)

“Broadband rebates may sound great, but Labour need to remember 5G”

(ブロードバンドのリベートは聞こえはいいかもしれないけど、労働者は5G であることを忘れてはならない)

“These new speakers sound great! Where did you buy them?”

(これらのスピーカーはいい音を出しますね。何処で買いましたか?)

I like you と I’m like you

“I like you”は話をしている相手にいい印象を持っている事、”I’m like you”は話している相手とどこか共通点があるということ。これらの似た言葉が全く別の意味を持つケースなので、”I”と”I’m”の使い方には十分気を付けるように。

I like youとI’m like youの例:

“Didn’t the president always say “I like you” to his supporters?

(あの大統領は支援者に常に”I like you”って言っていませんでしたか?)

 

引用元:

blog.wordvice.jp