2022年度コアリション・アプリケーションを導入する米国大学

アメリカの大学に出願を希望する場合、コモン・アプリケーションに関しては聞いた事がある方は多いと思いますが、最近設定されたもう一つの新しい大学出願方法であるコアリション・アプリケーションを知らない方は多いかもしれません。

コアリション・アプリケーションとはオンラインでの共通出願システムで、一度だけ願書を作成するだけで複数の大学に出願できるというシステムです。この出願手続き方法によって、コアリション・アプリケーションを受け付けている複数の大学に出願を希望する学生たちは、大量の時間をセーブする事が出来るようになりました。今回はコアリション・アプリケーションとコモン・アプリケーションの違いと、2022年度にコアリション・アプリケーションを導入している大学をリストにしました。

コアリション・アプリケーションとは何?
コアリション・アプリケーションとコモン・アプリケーションの違い
誰がコアリション・アプリケーションを使用するの?
コアリション・アプリケーションで出願する理由
コアリション・アプリケーションを受け付けている大学

コアリション・アプリケーションとは何?

2016年からコアリション・アプリケーションによって、学生がオンラインの共通出願システムを通して複数の大学に出願する事が可能になりました。複数の大学に提出する複数の願書を記入しなくても、学生たちは単に共通願書に記入してコアリション・アプリケーションを受け付けている大学(複数)に提出すればよいのです。

このコアリション・アプリケーションの目的は、低所得家庭で育ち、金銭的理由で学力を十分に評価される機会がなかった学生たちが抱えている問題の解決策です。従ってコアリション・アプリケーションを受け付ける為に、大学側には下記の条件が要求されます。

如何なる文化、社会経済、地理的な背景を持った学生をも差別しない事
学生ローンは低額もしくはローン無しにする事
提示された援助は全て提供する事
州内学生用の授業料を提供する事
卒業する学生の割合が高い事

コアリション・アプリケーションとコモン・アプリケーションの違い

コアリション・アプリケーションとコモン・アプリケーションは、どちらもオンラインのプラットフォームで、学生たちが複数の大学に出願が出来るものです。どちらの出願システムも、個人の重要な情報、例えば連絡先、課外活動、成績、エッセイが記入出来ます。大学によっては出願の際追加料金が掛かる場合もありますが、コアリション・アプリケーションとコモン・アプリケーションの出願は基本的にはどちらも無料です。

この2つのシステムは一見類似していますが、実は大きな違いがあるのです。従って、出願者はこの2つを注意深く比較して、どちらのアプリケーションから提出するかを見極める事が重要です。

下記はコアリション・アプリケーションとコモン・アプリケーションの比較を表にしてみました。

コアリション・アプリケーション Coalition Application	コモン・アプリケーション Common Application
2016年に導入	1975年に導入
150以上の大学が現在導入中	800以上の大学が現在導入中
出願大学数に制限無し	出願大学数20校に制限
コアリション・アプリケーションを導入中の大学であれば同じ願書を出願可能	各大学ごとに個々の願書出願が必要
システム使用料は無料。但し各大学へ追加で願書費用を支払う。	システム使用料は無料。但し大学によっては追加で願書費用を支払う。
エッセイの執筆や願書記入に費やす時間を短縮出来る事が利点。しかし、エッセイの選択課題はコモンアプリケーションよりも少ない	エッセイの選択課題がコアリション・アプリケーションよりも多い。また、自分でエッセイの課題を考える必要が無い事が利点。
導入校が限られている（少数）	コモンアプリケーション利用で出願可能な学校数が多い
導入されて間もない為、過去の出願経験者からの情報が非常に限られている	過去にコモンアプリケーションを利用した学生たちからの多数の情報を参照に出来る
課外活動は8までリスト出来る	課外活動は10までリスト出来る
ビデオ、オーディオのファイル、スプレッドシート、他のドキュメントのアップロード可能	自己情報に関するマルチメディアにアクセス可能なリンクを提供できる
9年生から、コアリション・アプリケーションのロッカー(‘Locker’ tool of Coalition Application)利用でエッセイや推薦状等の書類を保管可能	最近の授業課程のみリストアップが可能

誰がコアリション・アプリケーションを使用するの?

35州とワシントンD.C.にある150以上の公立と私立の米国大学がコアリション・アプリケーションを受け付けています。

コアリション・アプリケーションを受け付ける公立大学は授業料無料、もしくは州内の低授業料を提供します。一方、私立大学は無償学費支援、あるいは提示された援助を全て提供します。

コアリション・アプリケーションを導入する大学側には、卒業する学生の割合を高く保つ事を要求されます。卒業生の割合が高いという事は、大学側が学問のみに焦点をあてるのでは無く、あらゆる学生たちのサポートが行き届いている事を証明するからです。

コアリション・アプリケーションは下記の狭き門である名門大学でも導入されています。

アイビーリーグ5校　－　コロンビア大学、ハーバード大学、プリンストン大学、ペンシルベニア大学、イェール大学
多数の名門大学　－　スタンダード大学、シカゴ大学、キャルテック大学、ノースウエスタン大学、ヴァンダービルト大学、ジョンホプキンズ大学
名門リベラルアーツ大学　－　ウイリアムズ大学、アムハースト大学、スワースモア大学、ウェルズリー大学、ボウドイン大学、カールトン大学、ポモナ大学、ミドルベリー大学
名門公立大学　－　ウイリアム・アンド・メアリー大学、フロリダ州立大学、ミシガン州立大学、テキサス大学オースチン校

下記はコアリション・アプリケーション導入中、コモンアプリケーションは導入していない大学です。

ラトガーズ大学カムデン校
ラトガーズ大学ニューブランズウィック校
ラトガーズ大学ニューアーク校
テキサスA＆M大学
テキサス州立大学
ニューメキシコ大学
テキサス大学オースチン校
ワシントン大学ボセル校
ワシントン大学シアトル校

コアリション・アプリケーションで出願する理由

コモン・アプリケーションでの出願と同じ理由で、コアリション・アプリケーションでの出願を希望する学生が多い事でしょう。大学出願過程を効率化させて、成績表、テストの点数、その他の出願書類の準備と出願エッセイの執筆に費やす時間が大幅に削減されます。実際、コアリション・アプリケーションのエッセイ課題はコモン・アプリケーションのエッセイ課題に類似しているので、出願エッセイの準備もしやすくなったと感じる学生が多と思います。

コアリション・アプリケーションのウエブサイトによると、高校生が、もっと早めに大学出願過程の準備を始める事が出来る為にデザインされたとの事です。そしてコモン・アプリケーションよりもさらに総合化、組織化を狙っています。この新しいシステムは、コモン・アプリケーションに代わる強烈な大学出願方法です。

コアリション・アプリケーションを導入している米国大学

コアリション・アプリケーションを導入している米国大学を下記にリストにしました。現在150以上の米国内の大学がコアリション・アプリケーションを受け付けています。そして、このリストは随時更新されています。

下記の大学が2021年11月の時点でコアリション・アプリケーションを導入しています。アルファベット順のリストになります。コアリション・アプリケーションの公式サイトでも最新のリストをご覧いただけます。