英語論文のアブストラクトで使用すべき時制は過去?現在?
こんにちは!英文校正ワードバイスです。
英文校正を手掛ける中で多く見られる間違いに、英文Abstract(抄録)で使用すべき時制の問題があります。
Abstractで使用する時制
論文の抄録では、既に完了している研究の結果を説明することとなるため、基本的には過去時制が適していますが、状況によっては異なる時制の使用も可能です。
また、最近は抄録でも現在時制を使用する傾向が広まりつつあることも混乱を招く一因となっています。この記事では、そのような傾向が生まれた理由についても一緒に考えてみましょう。
動詞時制の使用原則
Abstract(アブストラクト、抄録)で使用される時制は、主に文が伝えようとする意味によって変化しますが、基本原則は次のようになります:
- 一般的な事実は現在時制を使用
- 先行研究に関する考察は過去時制を使用
- 文章の主題が自分の研究または執筆中の論文に関わる時は現在時制を使用(例: “Our study demonstrates …” や “Here, we show …”)
- 結論とデータの分析に関わる記述は現在時制を使用
- 文章の主題が実際に確認した結果および観察した事項である場合は過去時制を使用(例: “Mice in Group B developed …”)
- 単純な研究結果よりもその考察に重点を置こうとする場合は、現在時制を使用
それでは、以上の事項をNature掲載論文の抄録を例に確認してみましょう。
- 一般的な事実について記述するときは現在時制
“The anaerobic formation and oxidation of methane involve…” - 文の主題が自分の研究や論文に関連するときは現在時制
“Here [this article] we show that an anaerobic thermophilic enrichment culture …” - 直接観察した事柄については過去時制
“Genes encoding 16S rRNA…were repeatedly retrieved from marine subsurface sediments…”
以上から分かるように、実際に抄録のほとんどの文章で現在時制の使用が可能です。しかし、これは上で参照している抄録が具体的な結果や研究方法ではなく、著者の考察に焦点を当てた記述となっているためでもあります。
本日ご紹介した時制使用の基本事項をふまえ、抄録で強調したい内容に適した時制を使い分けることで、文意の伝わりやすい英語抄録を完成させてみましょう。
研究論文での英語時制関連記事
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英語ライティングの字数調整のための秘策
こんにちは!英文校正ワードバイスです。
英語論文を執筆中の研究者の皆様のみならず、入試英語と格闘中の受験生の皆様や、英語小論文・レポート課題を経験したことのある大学生の皆様、海外留学を目指してエッセイ対策中の皆様、TOEFL対策中の皆さまは、英文のワード数で悩んだことがあるのではないでしょうか。
英文ライティングのワード数調整
「指定のワード数に全く届かない」「ワード数制限より大幅にオーバーしているが、単語数の削り方がわからない」など、時間制限がある場合のワード数トラブルは、特に焦ってしまう要因にもなります。
どう頭をひねっても、一向に増えないワード数を無理やり増やすのも一苦労ですが、字数オーバーしてしまった文章の必要な要素は残しながら、簡潔な言い方で代替していくのも容易ではありません。
特に英語の学術論文や海外への学位留学のために提出するエッセイなど、将来を左右するかもしれない重要な文書の場合、問題になるのは単なる「英文の長さ」だけではありません。第三者にとって読みやすく、無駄のない整った印象の英文は英語論文の受理率、大学・大学院・MBAなどの合否に直接的に関わって来るためです。
もちろん、このような重要な書類の場合は学術英語・エッセイ英語を熟知したネイティブの英文校正が不可欠ですが、自分一人でもできる対策がたくさんあります。
簡潔な表現でワード数削減
いくつかのポイントや法則、フレーズを覚えておくだけでwordiness(冗長でくどい表現)な文章から、文意がすっと入ってきやすい表現に自分で書き換えることができるようになります。
当社英文校正ワードバイスの英文執筆リソースブログでは、英語論文・英文エッセイ・キャリア書類(英文履歴書、ES)を効果的に執筆するためのコツを毎日更新しています。
そのうち、本日は英文の単語数をいかにして減らすか、をテーマに作成された記事を
ピックアップしてご紹介いたします。
英文のワード数削減のコツ3つ
英文のワード数を減らすコツ:前置詞の省略 - Wordvice
英文の単語数を減らすコツ: Nominalization (名詞化)を避ける - Wordvice
簡潔で伝わりやすい英文にするコツ: Fillerの削除 - Wordvice
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