伝わりやすい論文英語ライティングのための14のコツ
こんにちは!英文校正ワードバイスです。
人に読まれる文章を書く際に重要なのは、いかにして読者の関心を引き、その関心を最後まで持続させるかという問題です。これは文筆家や広報担当者など商業的な文章を書く立場だけではなく、論文を書く研究者とっても同じことが言えます。
多くの時間と苦労と費やした研究を一人でも多くの人々に伝えたいと願うのは、どの研究者も同じです。ジャーナルエディターはそのように同じ目的を持った数千人もの研究者の論文を日々受け取るのですから、投稿されるすべての論文に十分な時間をかけて審査することは難しくなります。
それならば、どうすれば論文の受理率を向上させることができるでしょうか。ここで必要になってくるのが、伝わりやすい文章を書く能力です。興味深い内容は前提として、作文のスタイルも、読者が受ける印象を左右する重要な要素になります。いくら研究内容の質が良くても作文のセンスがめちゃくちゃでは、読者に「読ませること」を前提としているジャーナルで掲載承認の判定は受け取ることができません。
今回の記事は、論文掲載の確率を向上させるためのテクニックを、作文面から取り扱った内容です。
伝わりやすい英文を書くためのコツ
一文を短くする
学者と言えば、難解で長たらしい文章を書くイメージがあるでしょう。そこに複雑な専門用語まで加わったなら、文章の可読性の点からは、読者にとって非常に不親切な文章になってしまうとしか言えません。
できるだけ簡潔に、理解しやすい文章を書くことを心がけましょう。条件文、修飾語、例外文などが長くなる場合は、数文に分けた方が遥かに可読性が向上します。次のようなポイントを目安に、文章の簡潔化を図りましょう。
- 20単語を目安に、それ以上にわたる長文は数文に分けること
- 接続詞にばかり頼らず、接続句を効果的に使用して意味をつなげていくようにする
- 長い節(clauses)はいくつかに分離することを考える
- 核心となる内容のみ書くように意識し、簡潔な文章にする
反復的な表現は避ける
ジャーナルエディターや査読者から以下のようなコメントを受け取ったことはありませんか?
“You used the same word four times in a paragraph, particularly in consecutive sentences. You might want to diversify the vocabulary”
しかし、研究者の立場としては
“But they’re technical terms. I have to use them to be accurate.”
と答えたくなるものですよね。
読者の立場からは、同じ語彙がやたらと繰り返されると、どうしても気に障るものです。それは単に気分の問題だけではなく、同じ単語の登場に慣れてしまうと、脳が勝手にそれらの単語を飛ばし読みするようになり、集中力が切れてしまうという点でも問題があります。読者の興味を引き続けるためにも、なるべく多様な語彙を使用して言い換えることが必要です。
- 文脈に合った語彙であるかに注意し、まずは同義語に置き換えることを考える
- 代名詞や指示詞に置き換えるときは、示すものが明確かどうか確認する
- 同じ主題に関わる内容が一つの段落となるよう段落構成に注意すると、代名詞や指示詞の指示対象が分かりやすくなる
- 特定の内容を強調するための繰り返しは、本当に強調したい一部のみに使用する
様々な文章構造を使用する
例えば、“S+V+O”の文型ばかりが続く子どもの作文は退屈な印象を与えてしまいますよね。語彙選択の幅を広げるのと同様に、様々な文法構造を使用するのも読者の集中力を持続させるために有効です。
- 重文(compound sentence)や複文(complex sentence)の間には簡潔な文章を挿入してバランスを保つ
- 文法構造とは関係なく、すべての文が同じ長さで構成された文章はリズム感がなく退屈な印象を与える
連続した段落構造・長さには変化を持たせる
上の3つのパートで紹介したことを段落やセクション全体に適用することができます。
- 二文続けて同じ単語・表現で始めない
- すべての段落の長さを同じにする必要はない
- 可能な場合は箇条書きや行頭番号を使用し、文章構造に変化を与える
- 一つ一つの段落を簡潔にまとめること
以上のポイントを念頭に置き、伝わりやすい英語ライティングを心がけてみましょう。Wordvice公式ライティングリソースでは、論文やエッセイに限らず、英作文全般に生かすことのできるコツを豊富に紹介しています!ぜひご覧ください。
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ジャーナルインパクトファクターの調べ方
こんにちは!英文校正ワードバイスです。
研究者の出世や評価にあたって使用されるのが発表論文の数やその重要性ならば、ジャーナルの権威を評価するにあたってもっとも多く用いられる指標はインパクトファクターと言うことができます。
Clarivate Analytics(旧トムソンロイター)では毎年インパクトファクターを発表していますので、欠かさず確認すると言う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
インパクトファクター(文献引用影響率)とは?
クラリベートアナリティクスの説明によると、Impact factorは「特定のジャーナル(学術雑誌)に掲載された論文が特定の年または期間内にどれくらい頻繁に引用されたかを平均値で示す尺度」のことを言い、一般的に該当分野におけるジャーナルの影響力を示す数値と見ることができます。
IF(インパクトファクター)の算出方法
ジャーナルのインパクトファクターは、対象の年における論文の引用数を、その年に先立つ2年間ジャーナルに発表された論文の総合数で割った数値で表されます。
例) 2016年の論文数150件・2017年の論文数250件、それらの論文の2018年一年間の引用回数が合わせて1000件だったとき
→ 1000 / (150+250) = 2.5 そのジャーナルのインパクトファクターは2.5
ジャーナルインパクトファクターの閲覧方法
クラリベートアナリティクスでは、ジャーナルのインパクトファクターを有料契約者にのみ公開しており、残念ながら、ここでそのリストを紹介することはできません。ほとんどの大学・研究機関では団体契約が済んでいると思われますので、ご所属機関の附属図書館のサイトから接続し、閲覧してみましょう。
ジャーナルインパクトファクターの確認方法は、一般的にご所属機関の図書館サイト経由でログイン→Journal Citation Reportsで検索または該当項目を閲覧の手順になります。
クラリベートアナリティクス提供の使い方ガイド(PDF)で詳しく説明してありますので、ぜひご覧ください。機関毎の閲覧方法は異なる可能性がございますので、ご所属機関の図書館や学術支援センター等にお問い合わせください。
参考サイト
IF/CIの調べ方 (九州大学附属図書館提供)
Journal Citation Reports使い方ガイド(PDF・Clarivate analytics)
その他のジャーナル評価指標(無料!)
クラリベートのIFがどうしても閲覧できない方も、まだ方法があります!
ジャーナルの影響力を評価する指標には、Elsevier社のScopusデータベースを元にGoogleのページランクアルゴリズムを使用して算出している、SCImago Journal & Country Rankというものもあります。こちらは無料で利用することができます。
国別の比較や項目ごとの並び替えも容易な使いやすいランキング形式となっており、Clarivate AnalyticsのIFが利用できる方も、こちらの指標と比べてみるのも良いでしょう。
ジャーナル投稿用論文の英文校閲はワードバイス
Wordviceでは数々の出版論文校閲経験・査読経験・エディター経験を持つネイティブ校正者が、すべての論文を出版レベルの英語まで磨き上げます。ジャーナル指定のフォーマット調整も無料で、投稿前の最終チェックに欠かせない英文校閲サービスを格安かつ高品質にご利用いただけます。
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