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IEEE引用の例とガイドライン

IEEE引用スタイルとは?

IEEE (Institute of Electrical and Electronics Engineers)スタイルは、コンピュータサイエンス(computer science)と電気工学(electrical engineering)分野の研究論文の執筆に幅広く使用される引用スタイルです。IEEE引用スタイルは、従来の上付き文字と異なり、角括弧の中に番号を入力する参照方法で知られています。この参照システムを使うと、執筆者は、一文章の中で複数の情報源を簡単に参照することが出来ます。

更に、IEEE引用スタイル(IEEE citation style)は、書籍やジャーナルのタイトルの大文字化やイタリック化を含め、引用文献リスト内のフォーマット方法を明確に指示しています。引用リストは第一執筆者のラストネームでアルファベット順に記載するべきであり、文中内で記載された全ての情報源を記載する必要があります。

その上、IEEE引用スタイルでは、”IEEE”や“Transactions”を略した”Trans.”など、略語の使用を一貫することにより、研究論文のプロ意識と読み易さが向上され、執筆者および発表する研究の信用性を確立することが出来ます。

文中内でのIEEE引用の規則

IEEEフォーマット(IEEE format)では、文中内での情報源の記載は、角括弧の中に参照番号をいれて行います。これらの参照番号は文中内で表れる順番であり、論文の最後のページに記載される引用文献リスト(References)と一致することを確認するべきです。

IEEEスタイルの文中の引用は、文の最後、終止符(ピリオド)の前に記載します。参照番号は角括弧の中に、文と数字の間には句読点無しで記載します。下記の例をご覧ください。

[1] states that the use of renewable energy sources is increasing.

一文の中で複数の情報源を参照にする場合は、下記のように、参照番号は角括弧に入れて、コンマで分けてリストします。

Several studies [1, 2, 3] have shown the benefits of using renewable energy sources.

IEEEスタイルで重要なのは、文中内の全ての引用は、必ず論文の最後の引用文献リストでの記載を求められているということです。

IEEE文中引用の例

文中内の照合

引用文献リストで記載した全ての引用文を文中内で引用する必要はありませんが、引用するのであれば、角括弧と句読点で並列します。

文法的には、フットノートの番号のように取り扱われます。例えば…

…as shown by Brown [4], [5]; as mentioned earlier [2], [4]–[7], [9]; Kwon  [4] and Thalin and Peters [5]; Park et al. [7]

注:文中内で3人以上の名前が参照される場合は、et al.を使います。

…as demonstrated in [3]; according to [4] and [6]–[9].

幾つかのIEEE文中引用の例を下記からご覧ください。

According to a recent study [1], the use of renewable energy sources has increased significantly in the past decade.

The benefits of using renewable energy sources include reduced greenhouse gas emissions [2] and decreased dependence on non-renewable sources [3].

In a survey of 1000 individuals, 80% agreed that it is important to invest in renewable energy [4].

角括弧内の数字は、論文の最後の引用文献リスト(References)と一致することを忘れないように。文献リストには、文中内で引用した全ての情報源を、作家のラストネーム順に、作家の名前が記載されない場合はタイトルのアルファベット順に記載します。

引用の中の引用文献 (References within a reference)

引用の中に、他者の引用を入れる場合、文献リストでibid. や op. cit. を使用します。これらは、既に引用参照されている旨を示す言葉で、引用文献箇所では削除されるべきことを示します。文中では、前の引用と同じ参照番号を各参照箇所で用います。もしもibid.で別のページ番号や他の情報が提供されている場合、下記の表示方法を使います。

[3, Th. 1]; [3, Lemma 2]; [3, pp. 5–10]; [3, eq. (2)]; [3, Fig. 1]; [3, Appendix I]; [3, Sec. 4.5]; [3, Ch. 2, pp. 5–10]; [3, Algorithm 5].

注:参照箇所の編集を要する場合、参照番号の変更と文中の引用には注意を払います。参照番号や文中引用を編集者が変更する際は、常に執筆者と確認を取る事が重要です。

IEEEでの参照引用

書籍 (Books)

フォーマット:

[1] A. Author, “Book Title,” Publisher, City, State, Country, Year.

[1] 作者のファーストネームのイニシャル. ラストネーム, “書籍タイトル”, 出版社名, 市, 州, 国, 出版年

例:

[1] J. R. Smith, “Renewable Energy Sources,” Springer, Berlin, Germany, 2012.

[2] M. Johnson and A. Brown, “The Future of Energy,” Oxford University Press, New York, NY, USA, 2015.

編集者付きの書籍 (Book With Editor(s))

フォーマット:

[1] A. Author, B. Author, “Chapter Title,” in: A. Editor, B. Editor (Eds.), “Book Title,” Publisher, City, State, Country, Year, pp. X-y

[1] 第一作者のファーストネームのイニシャル. ラストネーム, 第二作者のファーストネームのイニシャル. ラストネーム, “章のタイトル” in: 第一編集者のファーストネームのイニシャル. ラストネーム, 第二編集者のファーストネームのイニシャル. ラストネーム, “書籍タイトル”, 出版社名, 市, 州, 国, 出版年, ページ番号

例:

[1] J. R. Smith, “The History of Renewable Energy,” in: M. Johnson and A. Brown (Eds.), “The Future of Energy,” Oxford University Press, New York, NY, USA, 2015, pp. 1-20.

[2] M. Johnson and A. Brown, “The Benefits of Renewable Energy,” in: J. R. Smith (Ed.), “Renewable Energy Sources,” Springer, Berlin, Germany, 2012, pp. 21-40.

翻訳書籍 (Translated Book)

フォーマット:

[1] A. Author, “Book Title,” Translated by B. Translator, Publisher, City, State, Country, Year.

[1] 作者のファーストネームのイニシャル. ラストネーム, “書籍タイトル”, 翻訳者ファーストネームのイニシャル. ラストネーム, 出版社名, 市, 州, 国, 出版年

例:

[1] J. R. Smith, “Renewable Energy Sources,” Translated by M. Johnson, Springer, Berlin, Germany, 2012.

[2] M. Johnson and A. Brown, “The Future of Energy,” Translated by J. R. Smith, Oxford University Press, New York, NY, USA, 2015.

会議用書類(会議で発表される書類)(Conference Paper)

フォーマット: 

[1] A. Author, B. Author, “Paper Title,” in: Proceedings of the Conference Name, City, State, Country, Year, pp. X-y

[1] 第一執筆者のファーストネームのイニシャル. ラストネーム, 第二執筆者のファーストネームのイニシャル. ラストネーム, “書類名” in: 会議名, 市, 州, 国, 出版年, ページ番号

例: 

[1] J. R. Smith, M. Johnson, “Renewable Energy in the 21st Century,” in: Proceedings of the International Conference on Energy, Berlin, Germany, 2012, pp. 1-10.

[2] M. Johnson, A. Brown, “The Future of Renewable Energy,” in: Proceedings of the Energy Summit, New York, NY, USA, 2015, pp. 11-20.

オンライン会議用書類 (Conference Paper Online)

フォーマット: 

[1] A. Author, B. Author, “Paper Title,” in: Proceedings of the Conference Name, City, State, Country, Year, pp. x-y, [Online]. Available: URL

[1] 第一執筆者のファーストネームのイニシャル. ラストネーム, 第二執筆者のファーストネームのイニシャル. ラストネーム, “書類名” in: 会議名, 市, 州, 国, 出版年, ページ番号, [オンライン]. Available: URL

例: 

[1] J. R. Smith, M. Johnson, “Renewable Energy in the 21st Century,” in: Proceedings of the International Conference on Energy, Berlin, Germany, 2012, pp. 1-10, [Online]. Available: https://www.conference.org/proceedings

[2] M. Johnson, A. Brown, “The Future of Renewable Energy,” in: Proceedings of the Energy Summit, New York, NY, USA, 2015, pp. 11-20, [Online]. Available: https://www.energysummit.org/proceedings

ジャーナル記事 (Journal Article)

フォーマット:

[1] A. Author, “Title of Article,” Abbrev. Title of Journal vol. x, no. x, pp. xxx-xxx, Month Year.

[1] 執筆者のファーストネームのイニシャル. ラストネーム, “記事名” Abbrev. ジャーナル名 巻番号, 号番号, ページ番号, 月 年.

例:

[1] J. Smith, “The Future of AI,” IEEE J. Artificial Intell. vol. 2, no. 4, pp. 123-135, Dec. 2022.

[2] M. Doe, “Machine Learning in Healthcare,” Health Inf. J. vol. 5, no. 3, pp. 214-230, Sept. 2022.

ウエブサイト (Website)

フォーマット:

[1] A. Author, “Title of Web Page,” Name of Website, URL, Month Year (Date of Access).

[1] 執筆者のファーストネームのイニシャル. ラストネーム, “ウエブページ名,” ウエブサイト名, URL”, 月 年(アクセスした月年).

例:

[1] S. Patel, “Top 10 AI Companies,” Forbes, https://www.forbes.com/top-ai-companies/?sh=2a89a75a6f44, Oct. 2022 (accessed Feb. 2023).

[2] Example 2: J. Kim, “Artificial Intelligence in Business,” Harvard Business Review, https://hbr.org/topic/artificial-intelligence-in-business, Nov. 2022 (accessed Feb. 2023).

レポート(Report)

フォーマット:

A. Author, “Title of Report,” Name of Organization, City, State, Month Year.

執筆者のファーストネームのイニシャル. ラストネーム, “レポート名,” 機関名, 市, 州, 月 年.

例:

T. Nguyen, “Global AI Market Report 2022,” Gartner Inc., Stamford, CT, Sept. 2022.

L. Jackson, “Artificial Intelligence in Education,” National Education Association, Washington, DC, Jan. 2023.

IEEE引用文献ページのフォーマット

IEEE引用文献ページは論文の最後に別紙として表記します。ページの一番上に太字体でReferences と題して、中央(centered)もしくは左寄せ(left-aligned)に記載します。

引用文献の順番は、文中で表記される順に番号付けされます。括弧に入った番号はページの左側にインデントされ、縦に整列され、文献自体とは異なるコラムで明記されます。

IEEE参照文献では、一文献をシングルスペースで表記、文献と文献の間はダブルスペースで表記します。

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研究者にとっては当たり前のことですが、如何なる学術スタイル (APAスタイル、 MLAスタイルシカゴスタイルバンクーバースタイルなど)においても、常に正しいフォーマットを使用するのは困難で、間違えは簡単に発生してしまいます。あなたの学術文のジャーナル投稿が万全であることを確認する為に、プロの英文校正サービス英文論文校正英文原稿編集を受けましょう。

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引用元:

blog.wordvice.jp