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ジャーナル投稿に役立つ!情報満載(1)

こんにちは!英文校正ワードバイスです。

今回は一流ジャーナルへの論文投稿を成功させるため日々努力を重ねる皆さまのために、少しでもジャーナル受理率を向上させるお手伝いができないかと企画した記事です。

今回の記事のポイント
  • ジャーナル投稿プロセスの概略
  • 英語論文のジャーナル投稿プロセスの理解

ジャーナル投稿プロセスの概略

科学論文のジャーナル投稿プロセスは、野球に例えることができます。バッターボックスに立った研究者が無事バックホームできるか(ジャーナル受理)かアウトになってしまうか(リジェクト)は、選球眼(投稿ジャーナルの選択)や基本技術の鍛錬具合(論文の形式遵守や言語面での完成度など)、経験値など様々な要素が複雑に絡み合った結果です。インパクトファクターの高いジャーナルへの論文受理を目指し努力を重ねて行く中では、何度も挫折しそうになる瞬間が訪れることでしょう。

今回の記事ではまず、論文投稿の際の査読コメントに対処する方法を解説します。論文掲載までのプロセスを知り、リジェクトの場合はどうするか、修正を求められた場合はどうするか、審査に異議を申し立てたい場合はどうすればいいのか…各段階に分け、適切な時期と方法を解説していきます。

Bad News:

ジャーナルから受け取ったレターから真っ先に目に入ってくるrejectの文字。まずは現実を見つめてみましょう。初めての論文投稿で修正なし一発アクセプトの知らせを受け取ろうなどという話は、バットの握り方も知らない少年がメジャーリーグでホームランを打とうとするようなものです。つまり、100%不可能であるとは言い切れませんが、まず起こり得ないことなのです。

どんなに論文の完成度が高くても、確率だけ見た場合、トップジャーナルに投稿される論文は90%近くがリジェクト されています。しかもそのうち多くの論文は査読者に手にすら渡っていないと言います。

Good News:

論文投稿はいばらの道と言えども、努力次第で確実に掲載確率を向上させる方法はあります。 論文のジャーナル受理率を向上させるための要素を解説した以前の記事で、著者のためのガイドラインを遵守し、熟考の上エラーのない実験デザインを使用し、ターゲットジャーナルの読者の関心に合った内容とすること(また、内容に適したジャーナルを選択すること)を強調しました。また、カバーレターも手を抜けません。エディターの関心を引けるかどうかは、カバーレターによる部分も大きいためです。

エディター審査が通ったら、第一ラウンド通過となります。

一次審査に通った論文の掲載可否は、査読者の評価にかかってきます。それは同時に、査読者からの意見に著者がどのように対応するかにかかっている、とも言えます。

 

論文投稿プロセス

査読対策について説明する前に、論文のジャーナル投稿のプロセスを見てみましょう。下は、論文投稿プロセスの各段階で下される決定とそれに対する返答のあり方を図にしたものです。

論文投稿プロセスの各段階で下される決定とそれに対する返答のあり方

Journal submission process overview

野球をモチーフにした上の略図で、あなたはまさにウォーミングアップを終えて打席に立とうとしています。あなたの運命は下のいずれかに従うことになるでしょう。

1.一塁打: 論文を受け取ったエディターはまず論文著者にとって投稿の第一関門となる重要な決定を下します。論文を査読する価値があるか?という見極めです。下のような基本事項を考慮し、論文をふるいにかけます。

  • 論文の内容がジャーナルのテーマと合致しているか
  • 読者の興味範囲に当てはまる内容か
  • 最近掲載した研究と酷似していないか
  • ジャーナルの“Instruction to Authors”に従っているか
  • 方法論に欠陥がないか
  • 読みやすく仕上がっているか(文法や文体に安易なミスがないか)

エディターにより論文が上の基本事項も満たしていないと判断された場合、その論文は査読に回されることなくその時点でアウトとなってしまいます。そうなってしまった場合考えられる進路としては、次のようなものがあります。:

  • 他のジャーナルへの投稿
  • 再度論文の査読を頼み込む [この方法を選択する著者はそういません。論文の内容を完全に書き換えた場合には新規での投稿となります。]

2.二塁打ジャーナルのエディターから見て論文が最低限の基準を満たしていた場合、論文は査読のプロセスに回されます。査読者は該当分野の専門家として、論文を査読します。査読者の観点として主なものは以下のようなものがあります。

  • 方法論に欠陥はないか
  • 研究が不完全ではないか
  • 研究結果が結論を裏付けているか

査読者たちにより論文が掲載基準に満たないと判断された場合も(特に研究の完成度に問題があると思われる場合)、そこでバッターアウトとなってしまいます。その後の進路は先ほどと同様に、下のようになります。

  • 他のジャーナルへの投稿
  • 再度論文の査読を頼み込む. [この方法を選択する著者はそういません。論文を完全に書き換えた場合は新規での投稿となります。]

査読者から見て論文に決定的な問題はないものの疑問点がある場合、査読者は著者に対して質問事項や意見を送ることができます。 (詳しい内容は次の項目を参照).

 3.三塁打 この時点でジャーナルエディターチームは査読者コメントに対する著者の返答、修正事項に関する審査を終えて掲載に向けてのプロセスに入ります。いくつかの質問が加えられることもありますが、大幅な修正事項はないはずです。得点するまであと一歩というところに迫っており、剽窃などの理由がない限りは掲載となります。

4.バックホーム(得点): ジャーナルエディターは論文をアクセプトし、掲載に関わる事務的な手続きも終えました。めでたく論文掲載となります。

 

いかがでしたでしょうか?

次回は、査読コメントの対応方法やRejection Letterへの対応方法についてご紹介します。お楽しみに!

 

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